2013.3.17〜19

 今回は、早春の小豆島と淡路島をめぐる旅で、かみさんと2人、阪急交通社のツアーに参加して行ってきました。小豆島は、高校の修学旅行以来で、50何年か振りの訪問です。

第1日目(3/17 SUN)

 新幹線での旅というので、10:20に東京駅集合だ。駅中にある駅弁屋さんで弁当を買い込み集合場所へ。このツアーは人気があるのか、参加者はなんと80名。ちょっとばかり栄養が行きわたっているが、元気で楽しい女性添乗員の中村さんに引率され、10:50発の「のぞみ107号」に乗車。

 移りゆく車窓からの景色を眺めながらお弁当を食べるという、ゆったりした新幹線での旅もいいものである。が、しかし、新大阪を出て間もなく停電で列車はストップ。岡山駅には予定(14:18)より17分ほど遅れて到着、急ぎ在来線ホームへ。14:42発瀬戸大橋線快速「マリンライナー39号」に何とか間に合い乗車。

N700系「のぞみ107号」 瀬戸大橋上を走行中 マリンライナー号(高松駅)


 児島駅を出ると間もなく、本州四国連絡橋のひとつ(児島−坂出ルート)、全長12,300mの「瀬戸大橋」に入っていく。両側車窓に瀬戸内海に浮かぶ小島を眺めながら橋上を走り抜けると、四国・坂出市に入り、およそ55分で終着高松駅に到着だ。

 JR高松駅から歩いて5分ほどで、高松港、小豆島行きフェリー乗り場に到着、16:00発の「第二しょうどしま丸」に乗船。日曜日の夕方ということもあってか、満員で、やっと座ることができた。

「第二しょうどしま丸」 小豆島へ向かうフェリー 小豆島・土庄港


 女木島(鬼ヶ島)、男木島、豊島などの島々を眺めながら航行し、およそ1時間で、小豆島の土庄港の接岸、港よりホテルの送迎バスにて、今夜の宿「ホテルグリーンプラザ小豆島」に。

 着後、温泉で一日の疲れを癒し、夕食の瀬戸内鯛づくし料理に舌鼓を打つ。


第2日目(3/18 MON)

 予報では降水確率70%というが、まだ降ってはいない。8:00に2台のバスに分乗しでホテルを出発。まずは、島の景勝地のひとつ「寒霞渓」へ。

 寒霞渓は、小豆島のほぼ中央部、島の最高峰星ヶ城山(817m)と美しの原高原・四方指(しほうざし)(777m)との間にあり、東西7km、南北4kmに及ぶ大渓谷で、そこに約1300万年前の火山活動により堆積した疑灰角礫岩などが、度重なる地殻変動と風雨による侵食により、断崖や奇岩群を形成している。

寒霞渓(展望台より)


 秋とともに山全体が燃えるように染まるその色彩のあざやかさは素晴らしいものという。日本三大渓谷美の ひとつとも称されている。

寒霞渓ロープウェイ ロープウェイからの眺望


 山頂の展望台より、眼下に広がる内海湾、瀬戸内海を眺望し、ロープウェイで山頂駅より紅雲亭駅まで下る。約5分間の空中散歩だ。
 
 紅雲亭駅の駐車場の脇には、寒霞渓表十二景のひとつである紅雲亭があり、奇岩「通天窓」が見える。紅雲亭駅にはバスが回送してくれていて、次の観光地「二十四の瞳映画村」へ向かう。

紅雲亭(寒霞渓表十二景のひとつ 通天窓(寒霞渓表十二景のひとつ


 草壁港のある草壁本町まで下り、マルキン記念館など醤油工場が集まっている、苗羽(のうま)の「醤の郷」(ひしおのさと)を通り、田浦地区にある、「二十四の瞳」のモデルになった元小学校(岬の分教場)の前を通って800mほど行くと「二十四の瞳映画村」に着く。

醤の郷」の醤油工場、道路沿いに置かれている醤油樽


 映画村は、瀬戸内海を見渡す海岸沿い約1万uの敷地に、1954年と1987年の2度にわたって映画化された小説「二十四の瞳」をテーマとする施設群である。

二十四の瞳映画村


 1987年に映画化されたときのロケで使用された「岬の分教場」と大正から昭和初期の民家、男先生の家、漁師の家、茶屋、土産物屋など14棟のオープンセットが公開されている。

二十四の瞳映画村


 その他、「二十四の瞳」原作者である小説家壺井栄を顕彰して設立された壺井栄文学館や「二十四の瞳」だけを上映する映画館「松竹座」などの施設がある。

壺井栄文学館 「松竹座」映画館


 映画村を見学した後は、小豆島町のオリーブ公園へ。オリーブ公園は、小豆島町立のオリーブをテーマとする公園で、 明治時代に日本で初めてオリーブの栽培に成功したオリーブ園に隣接して、小豆島とオリーブの歴史文化を紹介する施設群が建設されている。

オリーブ公園からの眺望 オリーブ公園・ふれあい広場


 内海湾の向こうに浮かぶ「二十四の瞳映画村」がある田浦の岬を眺めたり、小豆島の姉妹島であるギリシャ・ミロス島から贈られた、オリーブ園に建つ真っ白なギリシャ風車を見たりし、オリーブオイルなどを買ってバスに戻り、土庄港へ。このころから雨が降り出したが、小豆島の観光はほとんど終わっているので問題はない。

オリーブ園


 土庄港の近くの世界一狭い海峡として、1997年版ギネスブックに掲載されている「土渕海峡」を車窓から見て土庄港に到着。

土渕海峡(バスの車窓より)


 最後に、土庄港の入り口に建てられた、小豆島を舞台とした壺井栄の小説「二十四の瞳」をモデルにした、分教場へ通う12名の生徒たちがおなご先生を取り囲んでいる構図が像になっている「平和の群像」と服部良一作曲の島の代表歌「オリーブの歌」の歌碑を見て、バスに乗ったままフェリーに乗船。

平和の群像 「オリーブの歌」の歌碑


 高松港行きのフェリーは12:20に出航。雨も結構降っているので、客室内でお弁当を食べたりして過ごし、定刻の13:20高松港に接岸。再びバスに乗って下船、昨日列車で通ってきた瀬戸大橋の坂出側の袂にある「瀬戸大橋記念公園」へ。到着したころは雨もほとんど上がっている、ラッキーだ。

  瀬戸大橋は、本州と四国を結ぶ本州四国連絡橋の一つ。その児島―坂出ルートは、1988年4月、9年半の歳月と約1兆1300億円の工費を費やして完成した。
 全長12,300m(海峡部9,367m)、最大支間長1,100m、幅35m、高さ194m、186m(主塔)の吊橋で、上部に4車線の瀬戸中央自動車道が走り、下部にJR本四備讃線(愛称:瀬戸大橋線)が通る2階建ての構造で「鉄道道路併用橋」と呼ばれている。
 また、トルコのボスボラス海峡に架かる「第2ボスボラス橋」とサンフランシスコの「ゴールデンゲート・ブリッジ」と姉妹橋となっていて、その記念碑がたっている。

瀬 戸 大 橋


 瀬戸大橋記念公園は、瀬戸大橋の架橋を記念して整備された公園で、美術館やドーム会場、球戯場や親水広場、展望塔などがある。希望者は、瀬戸大橋タワー(展望室部分が回転しながら昇降する、高さ108m、360度の景色を眺められる回転式展望塔)に乗ったが、我々は天気も良くなく眺望もあまり期待できないので乗らずに、公園内をぶらぶらし、瀬戸大橋を眺めたりして過ごした。

瀬戸大橋記念公園


 「瀬戸大橋記念公園」を見た後は、坂出ICから高松自動車道に入り、高松市、さぬき市、東かがわ市を通って、鳴門北ICで下り、大鳴門橋の袂の「鳴門公園」に寄る。途中ではかなり雨も強く降っていたが、またまたラッキーなことに、ここに着いた時にはほとんど上がっていた。

 鳴門公園は、四国と淡路島の間に浮かぶ大毛島の岬一帯に位置し、大鳴門橋とうず潮群を見渡すことのできる展望公園だ。

鳴門公園とそこより見るうず潮


 ここから、鳴門海峡に架かる大鳴門橋の橋桁内(車道の下)に造られた海上遊歩道で、海上45メートルのガラス床から渦潮をのぞきこめる、「渦の道」というのがあるのだが、今日は天候不良で閉鎖とのこと、残念!うず潮は公園から眺めるだけだ。(うず潮は、明日、クルーズ船で見に行く予定)

 大鳴門橋は、兵庫県南あわじ市(淡路島門崎)と徳島県鳴門市(大毛島孫崎)間の鳴門海峡の最狭部を結ぶ吊り橋で、1985年6月8日に開通。橋長1,629m、中央径間876m、幅25m、主塔の高さ144.3m。
 橋は上下2層式となっており、上部は片側3車線の道路(現在は計6車線の内、中央4車線を使用)、下部は将来的に鉄道 (四国新幹線)を通すことが出来る構造となっている。神戸淡路鳴門自動車道として供用され、四国地方と近畿地方の交通の要になっている。

大 鳴 門 橋


 うず潮を眺めた後は、大鳴門橋を渡って、淡路島に渡り今夜の宿、南淡・福良の「南淡路ロイヤルホテル」に到着。一休みしてからのんびりと温泉に入り、今日一日の疲れを癒す。

ホテルの部屋より眺めた瀬戸内海に沈む夕日



第3日目(3/19 TUE)

 今日は晴天だ。9:00出発ということで、ゆっくりと朝食をとり、うず潮観光クルーズのため福良港に行く。今日は、潮の関係であまり期待できないというがうず潮観光に行くことにする。

 うず潮観光は、勝海舟によって、日本人で初めて太平洋横断しアメリカへ渡った蒸気帆船「咸臨丸」を復元した観光船で、大鳴門橋の真下のうず潮が発生しているところまで行ってくるのだ。

福良港・うず潮観光船乗場 うず潮観光船「咸臨丸」


 9:30に福良港を出港、福良湾を休暇村淡路や、我々が泊まったホテルを右手に見ながら、およそ30分で大鳴門橋の真下に到着。 

「咸臨丸」のデッキにて 鳴門海峡に向かう「咸臨丸」


 鳴門海峡は、本州と四国の間にある瀬戸内海と太平洋とを結ぶ海峡の一つで、幅が約1.3km。双方の潮の干満時間の差によって大きな水位差が発生し、最高で1.5mにも及ぶ。海峡の幅が狭いことに加え、海底の複雑な地形も影響し、潮流は13〜15km/hの速度で流れ、大潮の時には20km/hに達することもある。この潮流の速度は日本で一番速く、「世界三大潮流」にも数えられている。

大鳴門橋の下を通る「咸臨丸」 マストが橋すれすれに通過

 この早い潮流と、海峡両岸に近い穏やかな流れの境目において、渦が発生する。大潮の際には渦の直径は最大で30mに達するといわれ、渦の大きさは世界でも最大規模といわれる。
 残念ながら、今日は小潮で、あまり大きな干満差がなく、小さな渦がみられるだけであった。

鳴門海峡のうず潮


 うず潮クルーズに行かない人は、福良港にある「淡路人形座」で淡路の人形浄瑠璃を鑑賞することもできる。

淡路人形座


 うず潮クルーズを終え、淡路南ICから神戸淡路鳴門自動車道に入り、東浦ICで下り、「あわじ花さじき」へ。あわじ花さじきは、淡路島北部丘陵地域の頂上部に位置し(標高298〜235m)、明石海峡・大阪湾を背景に、約16ヘクタール(甲子園球場の4倍)の広大な花のパノラマが広がっているというのであるが、残念ながらこの時期、菜の花がきれいに咲いているが、その他はあまり綺麗には咲いていない。

あ わ じ 花 さ じ き


 あわじ花さじきを見た後は、淡路SA内の淡路ハイウェイオアシスで昼食。その後、明石海峡大橋を渡り、7号北神戸線を経由して、神戸北野異人館地区へ。

淡路ハイウェイオアシスからの眺め 明石海峡大橋を渡る


 「北野工房のまち」の駐車場でバスを降り、異人館地区を散策。「風見鶏の館」、「萌黄の館」、「うろこの家」などを見学バスに戻る。

北野町広場への北野坂 北野町広場に面して建つ「風見鶏の館」
「風見鶏の館」の室内

「萌黄の館」とその室内

北野天満神社 オランダ館

デンマーク館(右)、ウィーン・オーストリア館(左) 北野外国人倶楽部

「う ろ こ の 家
「うろこの家」からの神戸市街の眺望
「うろこの家」の室内

山手八番館 英 国 館

おらんだ坂 洋館長屋(仏蘭西館)


 これで、今回の観光はすべて終わり、3号神戸線を走り新大阪駅へ。18:53発の「こだま682号」で帰途につく。22:47東京駅着にて解散。東京・大阪間をずいぶん行き来したがこだま号で乗り通したのは初めて?
 24時に無事我が家に帰り着く。


 今回の旅行は、2日目に雨に会ったが、観光場所ではほとんど降られず、まずまずではあった。時期的にも桜にもちょっと早く、鳴門のうず潮も少なく、全体的には今一つといったところか。

 それでも、明るく元気な添乗員の中村さんのお蔭で楽しい旅ができました。有難うございました。

                                                おわり

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