第1日目(2/24 THU)
羽田空港7:10集合のため、早朝の5時30分に我が家を出発。団体カウンターで搭乗券をもらい、軽い朝食を摂って
各自で搭乗。JAL−1863便は、ほぼ満席で、定刻8:00より20分遅れて離陸、順調に飛行して定刻より15分遅れ
の10:05、鹿児島空港に着陸。東京は晴れていたがこちらは雨だ。
空港には、小久保さんという女性の添乗員が出迎えてくれ、ツアーの参加者、45名はバスにて鹿児島港へ。生憎の
雨なので、桜島も殆ど見えない。
鹿児島港北埠頭に着くと、お弁当を貰い、屋久島へ向かう船に乗る前に、待合室でお弁当を食べる。
屋久島へは超高速船ジェットフォイル「トッピー」という水中翼船で行くのである
が、我等一行が乗るのは12時50分発の種子島経由屋久島行き「トッピー3」だ
が、天候不良で、種子島〜屋久島間の波・風の状況によっては種子島に引き返
すという条件付で出航した。
船は総トン数:164トン、旅客定員:244名と小さめだが、1.5mほど浮上して
最高時速80kmで航行するので、あまり大きな揺れもなく、2時間40分で屋久
島まで連れていてくれる。
「トッピー3」は定刻の15時30分、屋久島宮之浦港に到着。雨は殆ど止んでい
るが、風が強い。
まずは港のすぐ近くの「シーサイドホテル屋久島」にチェックイン。予定では「白谷雲水峡」へ行くことになっているが、
我々は明日、半日トレッキングコース(オプション)に行くことにしているので、今日は「白谷雲水峡」へは行かず、ホテル
の近くにある「屋久島環境文化村センター」に行ってみる。
ここは、屋久島の自然・生活・文化を分かりやすく紹介してくれる施設で、大型映像ホールの巨大スクリーンでは、ヘ
リコプターから撮影した屋久島の迫力ある映像が観られる。
その後、近くの「屋久島観光センター」でみやげ物などを見てホテルへ戻る。途中、「屋久島環境文化村センター」の
向かい辺りに「世界遺産登録記念の碑」と「森・水・人 ふれあいの島」という大きな石の碑が立っている。
大浴場で、眼の前に広がる太平洋を眺望しながらゆっくりと旅の疲れを癒したあとは、海の幸いっぱいの夕食だ。近
海で獲れた飛魚のから揚げ、羽のところがまた美味しい。それとチョッと珍しいあさひ蟹、チョッと小さめで変った形をし
ているが、ミソもたっぷりあってなかなかだ。名物のごまさばぶしは今ひとつ。お酒はやっぱり焼酎、添乗員さんおすす
めの「三岳」、美味しい料理と焼酎で大満足!
第2日目(2/25 FRI)
雨は上がり、今日は天気も良くなりそうだ。海の見えるレストランでゆっくりと朝食を摂った後、8:30にホテルを出発。
屋久島は周囲126.7kmのほヾ円形に近い島で、海抜0mから九州の最高峰、標高1936mの宮之浦岳までに日
本全土の植物が垂直分布しているというほど豊かな自然を誇り、1993年に世界自然遺産に登録されている。
樹齢数千年を数える屋久杉の原生林、また、ひと月に35日雨が降るといわれるように、黒潮の海から生まれる水蒸
気が空のダムになって雨を降らせ、600種にも及ぶ苔が育成する、世界有数の苔の楽園でもある。
島を一周している県道(77&78号線)を時計回りに、左
手に屋久島空港、右手に愛子岳(1235m)を見て走り、屋
久島のもう一つの港・安房(あんぼう)で右折、安房公園線
を登って行くと、山頂に大きな石柱が立っている山が前方
に見えてくる。太忠岳(1497m)といって、山頂には天柱
石と呼ばれる花崗岩の巨岩が立っている。
林道を登っていくと、屋久杉の原生林へと入って行き、白
骨化した屋久杉が立ってるのが見られる。
一旦ヤクスギランドの前を通り過ぎ、紀元杉へ。約6km
ほど行った標高1230mの安房林道沿いにある。
紀元杉は樹齢3000年といわれ、樹高19.5m、胸高周
囲8.1m。幹の先端は長い年月の間の台風や落雷などにより白骨化し、根元は雨に洗い流され根が露出しており、
推定樹齢にふさわしい老樹ぶりである。根元には木道を配してあり、一回りできるようになっている。
林道を戻り、先ほど通り過ぎたヤクスギランドへ。ここは標高1000〜1300mに広がる面積270haの樹齢数千年
の屋久杉を含む原生林を容易に鑑賞できる自然休養林で、この中には、30分コースから150分コースまでの4つの探
索歩道があり、樹齢1800年の仏陀杉などの大木や藩政時代の切り株、試し切り跡等と清流を見ながら森林浴が楽し
めるところである。我々は50分コースを散策する。
ちなみに、屋久杉とは屋久島の標高500m以上に1000年以上育っている杉の総称で、樹齢1000年以下の杉は
「小杉」と呼ばれている。
入口を入り、歩き始めるとすぐのところに、大きな栂の木が横に向かって伸び門のようになっている「くぐり栂」がある。
ここをくぐって進むと、苔むした大きな切株、根が露出している大木、赤茶色のつるつるした木肌のヒメシャラなどを見な
がら25分ほど歩くと、中を流れる荒川にかかる吊橋・荒川橋が見えてくる。
荒川橋を渡らずにその少し先を左手に行くと、樹齢1800年といわれる仏陀杉が現れる。ゴツゴツとした幹が仏陀の
顔に見えることから名付けられ、樹高21.5m、胸高周囲8.0mの巨木だ。
ここから折り返して、暫く歩いてゆくと、杉の切り株に2本の杉が生えている双子杉がある。これは切株の上に種子が
落下して発芽育成した屋久杉で、樹高が22.2m、22.7mとほぼ同じでまさに双子だ。樹齢は不明。このようにして世
代交代が行われることを切株更新というのだそうである。
双子杉を過ぎると、今度は一本の杉が倒れこんで、隣の杉と合体してしまった不思議な形をしたくぐり杉が道をまたい
でいる。樹高は25.7mで樹齢は不明。くぐり杉をくぐって、吊橋・清涼橋を渡ると出口である。
入口の駐車場の向かいに売店・休憩施設「森泉」があり、その前には大きな屋久杉で出来ている電話BOXが立って
いる。
入口横の案内図の下で、かわいいヤクシカが我等一行を見送ってくれ、また、安房へ下る林道脇にはヤクザルが日
向ぼっこをしていた。屋久島にいる大型哺乳類はヤクシカとヤクザルの2種だけで、何れも本土のものの亜種で、ひと
まわり小さい。昔から屋久島には、人2万、シカ2万、サル2万といわれていたとか。現在の人口は1万4千人である。
安房まで下り、県道を宮之浦まで戻り、屋久島観光センターで昼食。メニューは瀬飯定食といって、屋久島の磯辺で、
漁師が貝・魚・山菜を直火で炊き上げたご飯を瀬飯と呼び、その瀬飯と飛魚を開き海水でゆでただけの潮ゆで、飛魚を
主とした魚のミンチのつけ揚げの屋久島揚げ、ごまさば節とお造りにお吸物と香物という郷土料理だが、味がチョッと濃
く、瀬飯は瀬飯だけで、おかずは白いご飯で食べた方がもっと美味しく食べられたかも知れない。
午後は、オプショナルツアーの白谷雲水峡への半日トレッキングだ。参加者は20人程で、白谷雲水峡への道路が狭
く、大型バスが入れないため、3台のワゴン車に分乗して行く。13:30屋久島観光センターを出発、25分ほどで駐車場
に到着。ネイチャー・ガイドの指導で軽くストレッチをしてスタートだ。
白谷雲水峡は宮之浦川の支流白谷川の上流にある面積424haの天然照葉樹林の自然休養林で、約600種という
苔に覆われ緑一色に染まった神秘に満ちた原生林である。
また、宮崎駿監督が映画「もののけ姫」の舞台としてイメージされたところでもある。森には1時間コースから3時間コ
ースまで3つのコースがあり、清らかな水の流れ、巨大な一枚岩の花崗岩、苔むした岩や樹木、樹齢1000年を超える
巨大杉など自然の造形美を楽しむことができる。我々は二代大杉の少し先まで約2時間の散策を楽しむ。
入口を入るとすぐ弥生杉に向かう右への分かれ道があるが、われらのグループは残念ながらパス。白谷川に沿って
白たえの滝という小さい滝を見ながら進むと、憩いの大岩と呼ばれる巨大な花崗岩の一枚岩が現れる。この岩を登っ
て超えていくと、苔の中に白い小さな花が咲いているのが見られる。冬から春の苔の中でいち早く咲く、オオゴカヨウオ
ウレン(大五ヶ葉黄蓮)?だ。屋久島では、岩の上に根を張っている杉も多く、大雨で土の部分が流され、岩の上に根
が露出している木が見られる。
また、切株の上に種子が落下して発芽育成し、切株更新した二代杉や枝の付け根から別の木が生えている杉なども
見られる。
暫く歩いて行くと左手に吊橋が見えてくる。ひりゅう橋だ。橋の上から正面に、巨大な一枚岩の岩盤を白谷川の清流
が勢いよく滑り落ちる飛流おとしが眺められる。
橋を渡らず、更に進み、入口より1時間ほど歩いたところに二代大杉がある。江戸時代に伐採された切株に新たな杉
が育った屋久杉で、樹高32m、胸高周囲4.4mの巨木だ。
そこから少し行くと、苔むした岩や樹木が広がり、まさに「もののけ姫」の世界である。ここで折り返し、同じ道を入口ま
で戻ってくる。気持ちの良い森林浴を満喫!
屋久島観光センターまで戻り解散、お土産などを買ってホテルに戻る。
推定樹齢7200年といわれる最高齢の屋久杉縄文杉へ行くオプショナルツアーもあったのだが、片道4〜5時間も歩
くというので、今回はパス。我等一行の中では、女性の3人組を含む5人だけで、総長5時に宿を出て、夕方6時に元気
よく帰ってきた。また屋久島を訪れる機会があれば、チャレンジしてみたい。
第3日目(6/2 WED)
今日もよい天気になりそうだ。8:00にホテルを出発だが、その前にホテルの
前庭にあるウィルソン株のレプリカを見てくる。縄文杉への登山道の途中にあ
るウィルソン株は、周囲13.8mの巨大な切株で、天正14(1586)年、京都
の大仏殿をつくるために、秀吉が島津藩に命じて伐採させたと伝わり、大正時
代にアメリカの植物学者ウィルソン博士が、この切り株を手がかりに屋久杉の
巨木を世界に紹介したことにちなんで名付けられた。
屋久島には県道が一周していて、これから行く大川の滝へは反時計回りで
行く方が近いのだが、島の西側に位置する永田集落から栗生集落までのおよ
そ20kmほど(西部林道と呼ばれる)が世界遺産登録地域にかかっていて、道
幅が狭く、大型車通行止めとなっているため、今日もまた時計回りに同じ道を行
くことになる。
車窓左手の海の向こうには、昨日は見えなかった種子島が見えている。今日の夕方、ここでH2Aロケットが打ち上
げられる予定になっている。昨日も通った安房を通り過ぎ、島の南東を流れる鯛ノ川を渡ったところで右に折れ、千尋
の滝へ向かう。途中、昨年、竜神の滝と名前が付いたばかりの小さな滝を右手に見ながら、狭い道を10分ほど登って
いくと千尋の滝駐車場に着く。
千尋の滝は、モッチョム岳の裾の巨大な花崗岩の岩盤を鯛之川がきざんで、壮大なV字谷の景観をつくりだし、その
巨大な花崗岩の一枚岩のV字形の窪みを流れ落ちている。滝の落差は60mで、奥の二の滝は20m。そして、巨大な
花崗岩の一枚岩は、何と400m×200mもある。 駐車場からすぐのところにある展望台からその壮大な景色を眺め
ることができる。
滝を見て戻ってくると、バスの運転手さんが、駐車場脇の丘の向こう側に、山桜が満開だよと教えてくれ、行ってみる
と、何本もの山桜が見事に咲いていた。
再び県道に戻り、島の南西部にある大
川の滝へ向かう。車窓右手には、屋久島
最南端の山、岩盤が露出したモッチョム
岳(本富岳 940m)が見えている。暫く
走って行くと今度は、山頂付近が亀が山
に登っている形をしている珍しい山容の
七五岳(1488m)が見えてくる。
40分ほどで、前方に滝が見え、右手に
入るとすぐ大川の滝の駐車場だ。
大川の滝(おおこのたき)は大小200
あまりあるという屋久島の滝のなかでも
最大の落差88mを誇る大きな滝で、険しい岩肌を流れ落ちる姿は迫力満点である。向かって左が男滝、右が女滝で
日本の滝百選に選ばれている名瀑である。滝壺近くまで行け、降り注ぐマイナスイオンいっぱいの水しぶきを浴びるこ
とができる。滝壺は緑で神秘的な色をしていて素晴らしい。
大川の滝を見て、県道を反時計方向に逆戻りをし、島の南側、平内に
ある海中温泉に寄る。この平内海中温泉は、干潮前後2時間のみ海
中から湯船が現れるという、海岸の磯に自然に沸き出た秘湯で、入浴
槽と掛湯の3つの浴槽があり、46.4℃とちょっと熱めのお湯が沸いて
いる。男女混浴で水着着用は不可で、料金は100円(こころざし)だそ
うである。
帰りの船は、安房港発なので、安房まで戻り昼食。れんが屋というお
店で焼肉だ。なかなか美味しかった。やはり屋久島で、座敷には屋久
杉のテーブルを使っている。
13:10発の帰りの船も、来るときと同じ「トッピー3」で、種子島経由
である。種子島の西之表港を出るときに浮上に失敗をし、戻ってやり直
すというパプニングがあった。
鹿児島湾に入るところで左手に開聞岳がよく見えた。強い北風の影響もあり15分遅の15時15分、鹿児島港北埠頭
に到着。今日は桜島がよく見える。
鹿児島港からはバスで鹿児島空港へ。搭乗時刻まで時間があるので、空港のすぐ近くにある大きな西郷隆盛の像が
立つ西郷公園へ寄る。西南戦争を描いた錦絵、西郷隆盛や明治維新に関する資料、軍服、西郷さんにまつわるエピソ
ードなどが展示されている。ここでお土産物などを見て、さらに、近くの焼酎工場に寄る。ここは、酒匠工房GENという
ところで、工場の見学と試飲ができる。何種類かの焼酎が好きなだけ試飲できるので、焼酎好きには堪らない。鹿児
島空港で時間のある方は一度立ち寄ってみては如何か!
鹿児島空港に戻り、搭乗券を貰って解散。とんこつラーメンを食べ搭乗口へ。定刻19:50発JAL1878便は順調に
飛行、定刻より5分早く羽田に着陸。23時、無事我が家に帰着。
天候にも恵まれ、樹齢1000年を超える屋久杉、苔むした森、清らかな渓流とダイナミックな滝に加えて美味しい海の
幸を堪能できた2泊3日の旅だった。
おわり
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