甲州 武田信玄ゆかりの史跡めぐり

                                                       2008.4.19〜21

第3日目

 今日も晴天で暖かくなりそうだ。8:30 ホテルを出発。まずは、花巻市の郊外、胡四王山の中腹にある「宮沢賢治記念館」へ。

 宮沢賢治は、明治29年(1896)花巻町に生れ、郷土岩手の地を深く愛した詩人・童話作家であり、農業指導者・教育者でもあった。「雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナカラダヲモチ・・・・」。の詩はあまりにも有名であるが、その他、「銀河鉄道の夜」、「風の又三郎」なども良く知られている。

宮沢賢治記念館にて
 「宮沢賢治記念館」には、宮沢賢治をめぐるその環境・信仰・科学・芸術・農村などの資料の他、愛用のチェロや、自筆原稿など賢治ゆかりのものも展示されている。  「宮沢賢治記念館」入口の前に立っている宮沢賢治のキャラクターの一つであるガラス製のふくろうの像。

宮 沢 賢 治 記 念 館 に て
 記念館の下の方に「ポランの広場」という庭園があり、そこにある賢治設計の日時計花壇  「ポラン広場」の更に下にある「宮沢賢治イーハトーブ館」。宮沢賢治に関する資料・情報の図書室や作品展、研究展などを行える展示室・ホールがある。

レストラン「山猫軒」
 宮沢賢治記念館に駐車場脇にある、賢治の童話「注文の多い料理店」のイメージで統一されたレストラン「山猫軒」  入口には、「ことに肥ったお方や若いお方は大歓迎いたします。」 宮沢賢治「原作」より と書かれた猫の看板がぶら下がっている。


 「宮沢賢治記念館」を見学した後、民話の故郷・遠野へ向かう。バスは、JR釜石線に沿った釜石街道(国道283号線)を走り、途中、珍しい「わさびビール」を飲ませてくれるという「宮守ブロイハウス」に寄ったのだが、なんとお休みだ。残念!

 綾織というところで左に折れ、南部曲り家「千葉家」を見学する。

遠 野  南部曲り家「千葉家」
 「千葉家」は、今から200年ほど前に建てられた、人の住む母屋と馬小屋を直角に連結した、代表的な南部曲り家で、163坪もある豪華なもので、現在も生活が営まれている。(右手が母屋で、鉤の手に曲がった左手が馬屋)
 飛騨の合掌造りと並んで「日本十大民家」の一つに数えられている。

遠  野   に て
 南部曲り家「千葉家」より遠野・綾織町方面を望む。  遠野の田園風景と頂上付近にまだ雪を戴く早池峰山。


 「千葉家」見学後、遠野の伝承園に向かう途中、猿ヶ石川沿い約1.2kmに約100本の桜が並ぶ「綾織の桜並木」のところを通ったのだが、遠野は岩手で2番目に寒く桜の咲くのも遅くて、いまだ1分〜2分咲きというところ。チョッと残念!

 遠野の駅前を通り、伝承園の駐車場にバスを止め、伝承園の前の小道を入っていくと右手に立派なお寺、常堅寺がある。この境内左手奥に、澄んだ水が和やかに流れる小川があり、そこがカッパ淵である。
 遠野のカッパは人々を驚かし、いたずらをしたといわれ、多くのカッパ伝説が残っている。

遠  野    常 堅 寺
 常堅寺は、遠野郷十二ヶ寺の触頭。延徳二年(1490)多聞秀守禅師による開山といわている。山門には、早地峰神社より移された、総丈3.5メートルで、慈覚大師の作と伝えられている仁王像が安置されている。  境内左手、十王堂の前に立つ、珍しいカッパ狛犬。寺の裏を流れるカッパ淵のカッパが、ある災難の折りに、常堅寺に難を避け、そのお礼に狛犬になったと言われている。

カッパ淵 にて
 常堅寺境内の裏に、澄んだ水が和やかに流れる小川があり、そこがカッパ淵である。遠野のカッパは人々を驚かし、いたずらをしたといわれ、多くのカッパ伝説が残っている。  カッパ淵にある小さな祠は、お乳の神様で、祠の前には赤ちゃんカッパにお乳をあげているカッパの像がある。


 カッパ淵を見て伝承園に戻り昼食。メニューはやまめの塩焼のついた「定食ざしきわらし」。

 昼食後は、伝承園内を見学する。語り部を囲んでの昔話を聞くのは、予約制とのことで、今回は残念ながら体験することはできなかった。

伝  承  園
 伝承園内には、曲り家「菊池家住宅」や遠野物語の話者「佐々木喜善記念館」、千体のオシラサマを展示している「御蚕神堂」(おしらどう)などがあり、伝承行事、昔話、民芸品の製作・実演などが体験できる。  伝承園前にある交通安全のカッパと庚申塔。

伝承園内  「菊池家住宅」
 「菊池家住宅」は、最も古い時期の南部曲り家を移築したもので、往時の農家の調度品、民具などが展示されている。また、囲炉裏を囲んで昔話が聞けるようになっている。

伝 承 園   菊池家住宅の内部  
 囲炉裏を囲んで昔話が聞ける部屋。天皇皇后両陛下もここで語り部の話を聞かれたとのこと。  このような民芸品が飾られた部屋もある。

菊池家住宅の内部 「御蚕神堂」(おしらどう)
 蚕に繭を作らせるところ。蚕は一晩で繭玉を作ってしまうそうだ!  御蚕神堂内に祀られている千体のオシラサマ。遠野物語では、オシラサマは馬と娘の悲恋譚として紹介されていて、農業の神さま、馬の神さま、あるいは蚕の神さまとも言われている。


 14:00 遠野を出発、国道340号線から397号線を走り、途中、道の駅・種山ヶ原で休憩して、予定通り16:00 水沢江刺駅に到着、3日間お世話になった運転手さんの愛澤さんと今日1日だけだったガイドの鈴木さんとお別れし、16:38発の東北新幹線「やまびこ62号」で帰路につく。

 車中は相変わらず賑やかだ。19:24 無事、東京駅に到着、連絡改札口を出たところで解散。

 奥州平泉文化のお勉強、見頃の桜、温泉と宴会、それと宮沢賢治の童話の世界や民話の故郷・遠野と見どころいっぱいの、賑やかで楽しい2泊3日の旅でした。皆さんお疲れ様でした!


                            <おわり>


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