滝紀行

                                                   2009.10.27〜29

 
 今回はひとりでの滝巡りである。台風一過の秋晴れの下、7:30我が家をスタート。東京ICから東名高速道に入り、快調に走り、途中、牧の原SAで休憩をとり、豊田JCTより伊勢湾岸自動車道、東名阪自動車道を走り、亀山PA(ハイウエイ・オアシス)で昼食を摂った後、亀山ICから名阪国道に入り、針ICから国道369号線に入り、榛原からは国道370号線を走り、吉野町・宮滝大橋北詰で右折、ここから国道169号線を走り、今夜の宿泊予定の川上村・杉の湯には2:30分に到着したが、まだ時間が早いので、不動七重滝へ行くことにする。
 国道169号線を更に南下し、下北山村に入ったところの前鬼橋を渡ってすぐ、前鬼村道へ右折、前鬼川に沿いおよそ7kmほど走ると、「前鬼 不動七重滝」 「森林浴歩道」の標識があり、その脇に、「遊歩道の吊り橋は台風の影響でなくなっておりますが川を横切って対岸に渡ることができます」と書かれた看板がたっている。時間も遅いので、滝壺へ行くのは止めて、この先700m先の展望所から遠望することにする。

               
        前鬼林道に入口に立つ看板     不動七重滝への遊歩道の入口の標識

 不動七重滝は、釈迦ヶ岳(1800m)に源を発する前鬼川にかかる、落差100mの名瀑で、その名のとおり、高崖から7段になって豊な水塊を落としており、「日本の滝100選」に選ばれている。

              
                         不動七重滝の全景

 村道の展望所からは、1〜6段目が遠望できる。1段目はやや隠れた小滝、2段目が主瀑ともいえる末広がりの巨瀑。3〜5段目は七つ釜を連想させるような巨大な釜が並んだ階段状の滝。6段目は木々の間から上部だけが見える。
    
            不動七重滝(2段目)                不動七重滝(3〜6段目)

                 
                        不動七重滝(3〜5段目) 

 不動七重滝をみて、今夜の宿、川上村・湯盛温泉の「杉の湯」に戻り、ゆっくりと温泉に入り、疲れを癒す。


  昨夕は雨が降ったが、2日目の今日は、天気は良さそうだ。8:20 宿をスタート、大台ケ原へ向う。国道169号線を、新伯母峯トンネルの手前から大台ケ原ドライブウェイ(17.2km¥−無料)に入り、9:30頂上の駐車場に到着。
 大台ケ原ビジターセンターで、散策マップを買い(100円)、売店の横を、シオカラ谷方面へと向う。山の家を過ぎると、シオカラ谷まで石段の急坂を下り、25分ほどでシオカラ谷吊り橋に着く。

   
    シオカラ谷へ向う遊歩道         シオカラ谷吊り橋            シオカラ谷の渓谷

 吊り橋を渡るとすぐに、滝見尾根に続く道になるのだが、ロープが張られ、「通行止め」の看板が立っている。この先、1時間ほど行くと「中の滝」の展望できるところがあるのだが、単独行なので取り止め、大蛇ーから遠望することにする。急な坂道を上りおよそ40分で、大蛇ーへの分岐に着く。ここから300mで大蛇ーだ。

   
 滝見尾根に続く道の通行止めの看板     大蛇ーへ向う道           大蛇ーへの分岐点

 足下から800m断崖絶壁のスリル満点の大蛇ーからは、目がくらみ、足がすくむ大パノラマが展開されている! 高所恐怖症のHiroの苦手とするところだ。紅葉は、先日の台風で大分散ってしまったとのことだがまだ残っており楽しめる。
 
 
                       大蛇ーから大峰山脈の大展望

 ここからは、中の滝の上部と西の滝の落ち口の部分が遠望できる。

     
               大蛇ーから遠望した中の滝(右上)と西の滝(左下)

 中の滝は、東ノ川の源流にあたる、落差250mの大滝で、「日本の滝100選」に選ばれている。急峻な地形のため近寄ることは難しい。その中の滝の左手に流れ落ちる西の滝も、落差150mの大滝である。

        
                 中の滝                       西の滝

 大蛇ー殻の雄大な眺めを堪能したあと、分岐点からはシオカラ谷とは反対側へ。何故だか神武天皇の像が立つ牛石ヶ原、日出ヶ岳方面への分岐点、尾鷲辻を経て、およそ1時間歩き、12:35駐車場に戻ってくる。

        
              牛石ヶ原付近                   尾鷲辻付近の紅葉

 紅葉の季節で平日にも拘わらず、広い駐車場は満杯で、路上にまで車がいっぱいだ。ここの売店で売っていた、吉野地方の伝統の味、柿の葉ずしで昼食。

 その後、ドライブウェイを下り、御船の滝へ向う。国道169号線にでたところで左折し北上。下多古の武光橋を渡り、井光川沿いの林道を延々とたどると滝の入口がある。「滝へ130m」という看板が立っている。

        
             御船の滝への入口                    滝への道

 御船の滝は、吉野川の支流・井光川の源流域にかかる、落差40mの分岐滝で、末広がりの優美な流身を見せている。水量が減る厳冬期には、みごとな氷瀑となり、文殊菩薩に似ているそうである。

    
               御船の滝                       御船の滝の落ち口     

 次は、大天井滝へ向う。国道169号線に戻り右折、昨夜泊まった杉の湯の手前を右折。高原川に沿って、林道高原洞川線を約12km程行ったところの吉野山方面への分岐を左折すると間もなく四阿が見え、その向かいに滝が落ちているのが見える。大天井滝である。

    
                               大天井滝

 大天井滝は、川上村と天川村との境界に聳える大天井ヶ岳(1439m)のふところ深く、高原川の最上流部に位置する、落差45mの段滝である。澄んだ大気と清涼な滝水とによって、断崖の岩肌は緑のコケや草に覆われ、いかにも深山らしい雰囲気が漂っている。

 今夜は、室生寺の近くの温泉の奥香落山荘泊ることにして、国道169号線に戻り、右折し北上。途中、音無川にかかる蜻蛉の滝に寄ってみる。五社トンネルの手前を左折し500mほど行ったところのスポーツ公園の先の蜻蛉の滝公園の駐車場に車を止め、公園の鳥居をくぐり石段の遊歩道を3分ほど登ると、休憩所があり、目の前に蜻蛉の滝が落ちている。

        
               蜻蛉の滝公園                    蜻蛉の滝

 21代雄略天皇と蜻蛉(トンボ)にまつわる逸話から、この地を蜻蛉野(あきつの−トンボの古名)と呼ぶようになり、この滝も蜻蛉の滝と呼ばれるようになったというこの滝は、吉野川の支流・音無川が急崖を垂直に落下している、落差50mの2段の滝である。万葉集にも登場する滝で、松尾芭蕉や本居宣長なども訪れたことがあるという。

         
            蜻蛉の滝(1段目)                蜻蛉の滝(2段目)

 休憩所から螺旋階段を下りていくと滝見台があり、目の前に1段目の滝が落ちており、滝水は、筒状に掘られた深い穴の中に滑るように吸い込まれていく感じで、独特の雰囲気がある。そして、臼状の滝壷からあふれた水が2段目の滝となって落ちているのを見ていると吸い込まれていきそうだ。黒い岩壁と白い水しぶきの対比が美しい。

    
         蜻蛉の滝(1段目の落ち口)               蜻蛉の滝(1段目の滝壺)

 蜻蛉の滝を見た後は、169号線に戻り、370号線から369号線を走り、17:30曽爾村の奥香落山荘に到着。温泉にゆっくりと浸かり、疲れを癒す。


 3日目も天気は良い。宿でゆっくりコーヒーを飲み、8:30スタート。宿の前の道を少し登り、横輪川にかかる目無橋を渡るとすぐ左手に、奥香落の東海自然歩道の入口がある。ここに車を止めて、500m程遊歩道を行ったところに、済浄坊の滝がある。

        
            東海自然歩道の入口             済浄坊渓谷にある済浄坊の滝

 済浄坊の滝は、曽爾村を貫通する青連寺川の支流・横輪川にかかる、落差15mの分岐滝で、末広がりの流身ごつごつした節理の岩肌が特徴的である。

     
                           済浄坊の滝

 今回の滝めぐりはこれで終了だ。この後は、女人高野の別名がある室生寺に寄り、国宝の金堂、潅頂堂、五重塔そして釈迦如来坐像等を拝観する。紅葉にはまだ早く、かえでの葉も青々していた。

   
          国宝 金堂            国宝 五重塔         国宝 潅頂堂(本堂)

 室生寺からは名阪国道針ICに出て、名阪国道〜伊勢湾岸自動車道〜東名高速を走り、途中、浜名湖SAで昼食を摂り、17:00 無事に我が家に帰着する。走行距離は、1、256km。

 今回の滝めぐりでは、2つの百選の滝を巡り、トータル72滝となった。

 
  

            百選の滝 TOPへ        百選の滝 TOPへ          BACK
 
 
inserted by FC2 system