2012.11.25〜12.1
今回は、九州と中国地方の「百選の滝」を、わが愛車を駆って一人で巡ってくることにした。初日は神戸まで車を走らせ、そこから大分港行きのフェリーで九州へ渡る予定だ。 7:00に我が家を出発、東京ICから東名高速道に入り、一路西へ。御殿場から、今年新たに開通した新東名に入り、三ヶ日で東名に戻り、更に名神と渋滞もなく快調に走り、14時過ぎには神戸に着いてしまい、時間があるので、北野の異人館街をぶらついてから、六甲アイランドの港へ。 定刻の19:00の出港、間もなく明石海峡大橋の下をくぐり、瀬戸内海を航行し、翌朝定刻の6:20に、西大分港に接岸。
雨もほとんど上がった早朝の大分市内を抜け、国道10号、326号、502号を走り、大分県豊後大野市にある「原尻の滝」に8:30の到着。 「原尻の滝」は、田園に囲まれた平地に突如滝が現れるのが特徴で、「東洋のナイアガラ」と呼ばれる幅120m、高さ20mの滝で「百選の滝」に選ばれている。
原尻の滝を見た後は、再び国道502号を戻り、三重町から326号を南下し、宮崎県に入り、延岡駅の手前で右折、行縢神社に10:15に到着。ここから遊歩道(というよりず〜と登りの続く登山道だ)を歩くことおよそ30分、滝見橋に到着。ここから「行縢の滝」を眺める。
行縢(むかばき)の滝は行縢山(831m)の山頂付近の窪んだあたりから、大絶壁を白布を垂らすように流れ落ちている、幅30m、高さ77mの滝で、「百選の滝」に選ばれている。因みに、行縢とは戦国の武将が馬に乗るとき腰当てにした毛皮のことで、遠望した山容がこれに似ていたことからこの山名がついた。 滝壺まで行くことはできるのだが、足場も悪くなりかなり険しくなるので、ここから眺めて戻ることにする。
「行縢の滝」を後に、再びきつい遊歩道を神社まで戻り、「矢研の滝」へ向かう。国道10号に出て右折、10号線を南下し、都農町川北で右折し、尾鈴山駐車場に13:30に到着する。 ここから割と良く整備された遊歩道をおよそ30分ほど行くと、「矢研の滝」だ。途中には、小さめの「二見の滝」や「若葉の滝」がある。
矢研(やとぎ)の滝は、尾鈴山瀑布群を代表する名瀑。名貫川の上流の矢研谷にかかる落差73mの滝で、大絶壁を数条に分かれながら勢いよく落下している。「百選の滝」に選ばれている。神武天皇が、東方へ向かう途中、この滝で矢を研いだ、という言い伝えから、この名で呼ぶようになったと言われる。
矢研の滝を見た後、国道10号に戻り、少し南に下った高鍋町の今夜のホテルには、早めの16時少し前に到着だ。 3日目はまず、都城市の「関之尾滝」へ向かう。宮崎西ICから東九州自動車道の入り、宮崎自動車道の都城ICから国道10号線へ出て、都城市街地方面へ進み、途中「関之尾」方面(県道108号)へ右折し、後は案内板に沿って行くと関之尾公園に着く。 関之尾公園には、庄内川にかかる、大滝、男滝、女滝の3つの滝がある。大滝は、落差は14mと少ないが、幅が40mにも及ぶ堂々とした滝である。ちょうど滝の前に虹がかかり、美しい。「百選の滝」の一つである。
滝の上流は、最大幅80m長さ600mと川いっぱいに広がる、世界有数の甌穴群がずらりと連なっている。
関之尾滝を後に、鹿児島県加治木町の「龍門滝」へ向かう。財部町を通って国道10号に出て、末吉財部ICから東九州自動車道に乗り、噴煙を上げる桜島を左手に見ながら走り、加治木ICで下りると、すぐ「龍門の滝」に着く。 龍門滝は、網掛川にかかる落差46m、幅43mの滝で、岩肌の上を滑るように滝壷に落ちる水は豪快そのものである。その昔、唐人が「漢土の龍門の爆(たき)を見るがごとし」と賞したことから、この名が付いたといわれている。「百選の滝」に選ばれている。
再び加治木ICから今度は九州自動車道に入り、人吉ICまで走り、人吉の町で昼食をとった後、県道54号から国道445号を行き、球磨川を渡り県道15号に出て、下戸越から「鹿目の滝」の案内板に従って、4km程走ると駐車場がある。滝への入口から滝見道を5分程下ると雄滝を見ることが出来る。 鹿目(かなめ)の滝は、球磨川の支流鹿目川の上流にあり、雄滝、雌滝、平滝の3 つの滝からなる豪快な滝だ。この滝も「百選の滝」に選ばれている。雄滝は、高さ36mから滝壺へ豪快に落下する迫力のある滝だ。
雄滝から更に5分程上っていくと隣の支流に高さ30mから2段になって落下する雌滝を見ることが出来る。駐車場の直ぐ下には高さ7m程ですが幅の広い平滝も見ることが出来る。
鹿目の滝見た後は、人吉の町に戻り、国道445号を子守唄の里・五木村へ。五家荘・椎原から、細く 曲がりくねった県道52号をおよそ9kmほど走ると、「栴檀轟の滝」の駐車場に到着する。土産物店の脇を通り遊歩道を10分ほど下ると滝壺に出る。 栴檀轟(せんだんとどろ)の滝は、球磨川の支流・川辺川にかかる名瀑で、深い森に包まれた断崖絶壁を、飛沫を上げながら優美に流れ落ちる、落差70mの滝である。「百選の滝」に選ばれている。
細いくねくねとした道を、五家荘・椎原まで戻り、今日はここの宿に泊まる。 4日目の朝は、なんと氷点下3℃だ。車のウィンドウががちがちに凍っている。宿のおかみさんがお湯を持ってきてくれ、これで溶かしてスタートする。 五家荘は、平家の落人の伝説で知られ、「平家伝説館」や神楽やイベントが行われる「能舞台」などが点在している「平家の里」があるので、寄っていくことにする。
平家の里の近く、国道445号に沿ったところに「梅の木轟の滝」があり寄っていく。滝に行くには、国道から谷内川にかかる橋長116mの梅の木轟公園吊橋を渡っていかねばならない。
この吊橋を渡り、渓谷沿いをおよそ10分ほど歩くと、「梅の木轟の滝」に着く。この滝は、落差38mの3段滝で、中ほどで幅を広げた流身が、下段でまた狭まりながら、滝壺に流れ込む姿が美しい。 この滝の下に小さな昇竜の滝がある。
梅の木轟の滝を見た後は、国道445号、443号を走り、御船ICから九州自動車道にのり、熊本ICで下り、国道57号、325号、387号を走って菊池市に入り、ここから県道45号をおよそ5kmほど行くと菊池渓谷入口の駐車場に到着だ。 渓谷の入り口で、清掃協力金として100円を払い、遊歩道を20分ほど行くと「四十三万滝」に着く。
四十三万滝は、菊池渓谷の滝群の中心的存在の滝で、ゆるやかな傾斜を幅広く下っていく渓流滝である。この滝も「百選の滝」に選ばれている。
四十三万滝というユニークな名前には、2つの由来がある。昭和9年、九州日々新聞社が景勝地募集を行ったところ、43万票を獲得し第1位になったことからというものと、1日の平均水量が43万石(約7.8万トン)と変わらないというものである。 滝までの途中には、下流から高さ約20mの掛幕の滝、高さ7m程の黎明の滝、高さ8m程の天狗滝などがある。
「四十三万滝」を見た後は、県道45号を走る。この道は、「菊池阿蘇スカイライン」と名付けられていて、視界が開けた途端、右手に雄大な阿蘇の姿を望むことができる。
雄大な阿蘇を眺めて、大観峰より国道212号、小国町より国道387号を走り、日出生ダムのところで西椎屋の滝の標識を右に折れると間もなく駐車スペースに到着する。 駐車場より100mのところに展望台があるが、ここからでは滝壺まで見えない。ここから更に400mほど急な道を下ると下の展望台があり、滝壺まで見ることができるのだ。ちょっときついが、行くことにする。
西椎屋の滝は、駅館(やつかん)川の支流、恵良川の谷奥にかかり、椎屋耶馬溪の溶岩台地の断崖に落ちる落差83mの大滝で、東椎屋の滝、福貴野の滝とともに「宇佐の三滝」と呼ばれる。「百選の滝」にも選ばれている。伝えでは、この滝壷に住む大蛇が悪さをするので時の国司が社を建てて竜神を祀ったという。
西椎屋の滝を見た後は、宇佐の三滝のもう一つ「東椎屋の滝」へ。国道387号から500号に入り、東椎屋で右折すると間もなく駐車場に到着。駐車場からは川沿いの遊歩道をを300m程登ると滝壺に着く。 東椎屋の滝は、九州を代表する高瀑のひとつで、九州華厳の別名を持っている。柱状節理が発達した安山岩溶岩の絶壁から白水を真一文字に落としている、落差85mの大滝である。こちらも「百選の滝」に選ばれている。
これで、九州・沖縄にある17の百選の滝をすべて巡ったことになり、今夜は、由布院の温泉でゆっくりと疲れをいやすことにする。 |