玉川八十八ヶ所霊場めぐり

その2

 東横線・元住吉駅に10:00に集合。まずは16番札所の大樂寺へ。元住吉駅前から綱島街道を日吉方面に向かい、木月4丁目交差点を左に折れ、新幹線のガードの手前左手、およそ1kmで到着。併設されている幼稚園で餅つき大会を行っていて賑やかだ。

第十六番札所


木月山 遍照院 大楽寺
御本尊  大日如来
開山  法印智法  元文六年(1741)寂
神奈川県川崎市中原区木月4−22−19

 昔から木月には墓地が多く、 共同墓地であった場所に小さな庵を建て、 近くに川崎大師という大寺があった為、 真言宗の僧侶を導師として葬儀等を行ったと考えられている。 その後、長教和上が初代の住職として布教に当たられ、 脇仏として不動明王と般若菩薩を安置し、現在に至っている。また、川崎七福神の中の布袋尊があるお寺としても知られている。


 参拝後、奉納経をいただき、17番札所無量寺へ向かう。新幹線のガードをくぐり、少し先を左に折れ、刈宿歩道橋交差点でガス橋通りを左折、平間駅前の踏切を渡ってすぐ左に折れ商店街を暫らく進む。突き当りを右折し大きな通りを横切り、中丸子緑道の手前を左に折れると左手が17番札所無量寺だ。大楽寺からおよそ2.6km。

第十七番札所


瑠璃光山 長壽院 無量寺
御本尊  阿弥陀如来
開山  法印覚源  文禄三年(1594)寂
神奈川県川崎市中原区中丸子498

 無量寺は、法印覚源(文禄3年1594年寂)が開山となり創建、頂慶(寛永元年1624年)に中興したという。また、川崎七福神の中の寿老神があるお寺である。

 参拝後、奉納経をいただき、18番札所大樂院へ向かう。無料寺前の通りを北におよそ1.4kmほど進むと、丸子山王日枝神社があり、その先新幹線のガードをくぐった右手が18番札所大樂院だ。

第十八番札所



日吉山 神宮寺 大楽院
御本尊  十一面観音菩薩
開山  不詳  年代不明
神奈川県川崎市中原区上丸子八幡町1522

 大楽院の創建年代は不詳だが、古くに創建したと伝えられ、上丸子日枝神社の別当を務めていたと伝えられ、延宝7年(1679)に中興したという。
 木造・釈迦如来坐像は、寄木造、玉眼嵌入で、手を禅定院に結び、室町時代(十六世紀後半)の制作と考えられている。 釈迦如来坐像の胎内からは、武蔵国の世田谷と蒔田を領した吉良氏朝(1543-1603)の家臣名簿を記した墨書銘があり、室町時代後期の武将の信仰や吉良氏を研究するうえで、貴重な資料となっている。また、川崎七福神の恵比寿となっている。


 参拝後、奉納経をいただき、新丸子駅方面へ向かい、駅近く、綱島街道沿いのファミレスで昼食を摂る。その後、綱島街道を北に進み、丸子橋交差点で中原街道を左折し、いちのへ歯科医院の角を右に曲がり、中原中学校の脇を通ると間もなく左手に、19番札所成就院がある。こじんまりとした小さなお寺だ。新丸子駅からおよそ1.4km程である。

第十九番札所


大日山 成就院
御本尊   弘法大師
開山  法印尊秀 寛文2年(1662)
神奈川県川崎市中原区小杉陣屋町1−32



 留守のため、ご朱印を頂くことができず、参拝だけして20番札所西明寺へ向かう。(後日、ご朱印を頂いてくる) 成就院から西丸子小学校の前を通り、等々力陸上競技場の手前で左折、中原街道に突き当たり右に曲がると、20番札所西明寺の参道に出る。成就院からおよそ0.7kmである。

第二十番札所



龍宿山 金剛院 西明寺
御本尊   大日如来
開基  時頼入道道崇  年代不明
神奈川県川崎市中原区小杉御殿町1−906

 西明寺の創建年代は不詳だが、弘法大師が東国御巡化の際にここに留錫し高弟泰範上人に命じ堂宇を建立したとも、最明寺入道々祟(北条時頼)が開基となり創建したとも伝えられている。江戸時代には隣地に小杉御殿が建立され、将軍家の崇敬を受け、寛永19年(1642)には寺領10石の御朱印状を拝領、近隣に末寺20余ヶ寺を擁す中本寺格の寺院だったという。また、川崎七福神の大黒天となっている。

 参拝後、奉納経をいただき、今日最後の目的寺、21番札所東福寺へ向かう。西明寺から中原街道を東へ進み、小杉仁八町交差点を右に曲がってしばらく進み、JR南武線のガードをくぐり、府中街道に出て左折、東横線のガードをくぐると右手に21番札所東福寺がある。西明寺からおよそ1.5km。

第二十一番札所


西光山 聖天院 東福寺
御本尊   大日如来
開山  不詳  年代不明
神奈川県川崎市中原区市ノ坪45


 武蔵小杉駅まで戻る(およそ0.5km)、予定通り、3時に到着。今日はここで解散。次回は二十二番札所から。


 JR南部線・武蔵中原駅に10:00に集合。まずは22番札所の蓮花寺へ。武蔵中原駅前から中原街道を西におよそ2kmほど歩き、能満寺交差点を左に折れ、矢上川を渡ると間もなく22番蓮花寺に到着、武蔵中原駅からおよそ2.6kmだ。

第二十二番札所



南林山 普門院 蓮花寺
御本尊   十一面観世音菩薩
開山  頼意法印示寂  永享元年(1429)
神奈川県川崎市高津区久末1292

 石段を上り山門をくぐると正面に、寛政9年(1798)に再建された本堂がある。境内には、釈迦牟尼世尊涅槃像と十大弟子など数々の石仏や石像が安置されている。

 参拝後、奉納経をいただき、23番札所蓮乘院へ向かう。蓮花寺から矢上川を渡り、尻手黒川道路を横切り、およそ0.8kmで蓮乗院に着く。

第二十三番札所



長唱山 實相寺 蓮乗院
御本尊   準提観世音菩薩
開山  不詳 年代不明
神奈川県川崎市高津区子母口129

 蓮乗院の開山は不詳であるが、縁起には、伝燈阿闍梨 浄蓮坊 得蔵法印(寛文元年(1661)寂)により開創されたとされている。得蔵法印は諸国巡化の砌この地に来たって、村人に仏法を説いて多くの信仰を集め、その有徳に感応した当地子母口村名主 伊藤家が田畑を寄進し、ここに蓮乗院の基礎が確立されたとされる。
 また、明治維新前の神仏習合時代には、隣接の村社橘樹神社の別当を兼ね、社務を代々の住職が管掌していたという。

 参拝後、奉納経をいただき、武蔵中原駅まで戻り、駅前のファミレスで昼食を摂る。昼食後、道順を考慮し、24番札所安養寺を後回しとして、25番札所長福寺へ向かう。
 武蔵中原駅前から中原街道を丸子橋方面に行き、一つ目の信号を左に折れると、200mほどで25番札所長福寺である。

第二十五番札所


瑠璃光山 薬王院 長福寺
御本尊   大日如来
開山  法印良僅 天文23年(1554)寂
神奈川県川崎市中原区上小田中6−38


 参拝後、奉納経をいただき、26番札所常楽寺へ向かう。長福寺から北へ行き、中神地公園の脇を通り、府中街道を越えると間もなく常楽寺に到着、長福寺からおよそ0,6kmである。

第二十六番札所



春日山 医王院 常楽寺
御本尊   聖観世音菩薩
開山  行基  年代不明
神奈川県川崎市中原区宮内4−12

 常楽寺は、聖武天皇の直願所として行基菩薩が創建したと伝えられ、平治元年(1159)には宮中の祈願所となったといい、隣接する宮内春日神社の別当を務めていた。昭和43年の本堂改修の際には、まんが好きの和尚を慕って、漫画家達が本堂の襖や壁画にまんがを奉納、まんが寺と呼ばれるようになったという。
 御本尊の聖観世音菩薩立像は、一木造・彫眼で、平安時代末期(十二世紀ごろ)の制作で、川崎市重要歴史記念物に指定されている。

 参拝後、奉納経をいただき、27番札所東樹院へ向かう。常楽寺からは住宅街の細い道を北におよそ0.8kmほど歩くと東樹院に着く。

第二十七番札所



大栄山 多聞寺 東樹院
御本尊   不動明王
中興開基 石井源左衛門  天正年間(1573−1593)
神奈川県川崎市中原区宮内2−11

 東樹院の創建は、室町時代(1458年)、武州の豪族、平氏の流れである石井源左衛門により、当時宮内にある毘沙門天(別名多聞天・寺号はこの多聞天に由来する)の社が見出された。此処に堂宇を再建し、毘沙門天を祀り、一族の懇情に依り法印義範和尚が法灯を開いたのが端緒であるとされている。
 その後、寛永年中に義範和尚の弟子である近江の法印尊義和尚がこの地方に訪れ、石井氏の菩提を弔い堂宇を建立し、不動明王尊を御本尊として勧請・安置したと云われている。
 また東樹院の毘沙門天は川崎七福神の毘沙門天である。


 参拝後、奉納経をいただき、28番札所宝蔵寺へ向かう。東樹院から西に歩き、府中街道 西下橋交差点を横切り、二ヶ領用水を渡り次の信号を右に折れると間もなく宝蔵寺である。東樹院からおよそ0.9kmだ。

第二十八番札所


大谷山 和光院 宝蔵寺 
御本尊   地蔵菩薩
開山 法印賢祐  天文2年(1533)寂
神奈川県川崎市中原区上小田中1−4

 宝蔵寺は、原勘解由左衛門勝光(慶長11年1606年寂)が開基、法印賢祐(天文2年1533年寂)が開山となり、創建したという。
 川崎七福神の弁財天にもなっている。


 参拝後、奉納経をいただき、今日最後の目的寺、後回しにした24番札所安養寺へ向かう。宝蔵寺から大宿小学校の前を通りおよそ0.4kmで安養寺である。

第二十四番札所


天輪山 無量院 安養寺
御本尊   大日如来
開山  不詳 年代不明
神奈川県川崎市中原区上新城1−9

 安養寺の創建年代は不詳だが、宥清和尚が永禄10年(1567)頃に開山したといわれている。
 川崎七福神の福禄寿となっている。

 参拝後、奉納経をいただき、武蔵新城駅まで戻る(およそ0.5km)、ほゞ予定通りの3時少し前に到着。今日はここで解散。次回は二十九番札所から。

                                                  その3につづく

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