2011.11.14〜20

           感動のアンコールワットと     魅惑のベトナム2都物語 7日間  

    1日目 べトナム・ホーチミンへ 市内観光

 
   ・2日目 メコン川クルーズ、ホーチミン→シェムリアップへ 

    
・3日目 アンコールワット他、アンコール遺跡の観光

    ・4日目 アンコール・トム観光、トレンサップ湖クルーズ

    ・5日目 ハロン湾観光(ディナークルーズ)

    ・6日目〜7日目 ハノイ市内観光〜帰国

日目(11/16 WED)   アンコールワット他、アンコール遺跡の観光

 今日はアンコール遺跡群の観光だ。今日も晴天で、暑い一日になりそう。8時にホテルを出発、まず、料金所へ行き、遺跡群共通のチケット(顔写真入りのパウチされた券)を購入し、スタート。

 アンコール遺跡群は、トレンサップ湖北西岸の広大な密林地帯に点在する大小の石造建築群。9世紀初めから15世紀前半にかけて栄えたクメール王国のアンコール王朝が残した遺跡群である。アンコールには、大きなものだけで約60の遺跡があり、1992年、ユネスコの「世界文化遺産」に登録され、緊急の救済措置が必要とされる「危機にさらされている世界遺産リスト」にも登録されている。

 アンコール遺跡群の中心部は道も狭く、バスは乗り入れることができないので、電気カートに乗り換えて、始めは、無数の巨木の根が寺院を呑み込み印象的な景観をしているタ・プローム寺院へ。

タ ・ プ ロ ー ム 寺 院
遺跡群の中を走る電気カート。 タ・プローム寺院の入口

 
 タ・プローム寺院は、ジャヤヴァルマン七世が母の菩提を弔うため、1186年に創建した仏教僧院であっったが、後にヒンドゥー教に改宗されたと見られる。東西約1000m、南北約700mものラテライトの壁に囲まれた広大な敷地の中には、僧侶や舞姫など1万人以上が住んでいたという。創建されてからも建物の増築が続けられたと見られ、境内に巡る3重の回廊が、9基の祠堂や多数の塔、小祠堂をつないでいて、周壁の内部は迷路のように入り組んでいる。

タ ・ プ ロ ー ム 寺 院
崩壊している東塔門。  東塔門に掘られたデパター。


 自然の力を明らかにするために、樹木の除去や本格的な積み直しなどの、修復の手を下さないまま据え置かれていて、巨大に成長したスポアン(榕樹)に押しつぶされながらも、かろうじて寺院の体裁を保っている。

タ ・ プ ロ ー ム 寺 院
東門と東側の第二周壁  東門に覆いかぶさっている木


 東塔門から入り、回廊を踏みつける巨大なスポアン、大蛇のように石の間をうねる木や血管のように絡まる木などを見ながら、中央祠堂の周りを回って西門の脇を通り、観世音菩薩の四面佛の塔門になっている西塔門を潜り外にでる。

タ ・ プ ロ ー ム 寺 院
 大蛇の木。スポアンの根は石の間を押し広げて突き進む。その姿は奇妙で大蛇のようにも見える。これら大木は樹齢300〜400年だという。  血管の木。中央祠堂の近く、スポアンの根の上に更に別の植物の根が張り巡らされ、毛細血管のように見える。
 鳥の足の木。タカなどの猛禽類が枝に止まったり、獲物を獲ったりするとき、爪をガッと食い込ませているように生えている。  中央祠堂。内部には点々と穴が開いていて、当時はここに宝石やガラスがはめ込まれていたとされる。。
西門(内側より)  外周壁西塔門。四面佛の塔門になっていて、これは観世音菩薩と言われている。


 再び電気カートで移動、 「クリスタルの古老」という意味を持つタ・ケウ寺院に寄る。ここは、アンコール・ワット造営の試金石とされているもので、ジャヤヴァルマン五世によって11世紀初頭に造営が始められたが、王の突然の死によって、石材を積み上げた状態で未完のまま放置されている。

タ・ケウ寺院 プレ・ループ
 四方に副祠堂のある5塔主堂型の平面構造を持つ寺院で、ピラミッド式寺院の周囲に回廊を組み合わせるという新しい造形への挑戦がなされている。  ラージェンドラヴァルマン1世が建てたピラミッド型寺院。中央テラスにある石槽は死者を荼毘に付すために使われ、その際の身体を裏返す儀式をプレ・ループと呼んだことが名前の由来。


 そして、夕日鑑賞を予定しているプレ・ループを横目に観ながら、バスに乗り換えて、沿道の高床式の民家などを見ながら、シェムリアップ北東部の郊外にあるバンテアイ・スレイへ向う。

バンテアイ・スレイへ
道沿いに建つ、高床式の民家。 現地ガイドのファービーさん

バンテアイ・スレイ
バンテアイ・スレイの入口 東門への参道


 「女の砦」の意味をもつバンテアイ・スレイは、当時のアンコール王朝摂政役の王師ヤジュニャヴァラーハの菩提寺として建設されたといわれている。赤色砂岩とラテライトで築かれた周囲約400mの小寺院で、精密な壁面装飾や渦巻き形の塔門、デヴァター(女神)像の美しさなど、クメール美術の粋を集めた珠玉の寺院である。

バンテアイ・スレイ
東門  第一周壁の門を潜ったところからみた中心部。
最も美しいとされる第二周壁の門
環濠南東より見た中心部の全景


 東門から入り、第一周壁の門を潜ると、正面に中央伽藍が見える。池の間の道を進み、最も美しいとされる第二周壁の門を入り、第三周壁の門をくぐるとそこに中央祠堂と2基の副祠堂が建っている。副祠堂の壁面には、「東洋のモナリザ」と呼ばれる腰をかがめた美しいデヴァター像がある。他にも美しいデヴァター像があり、それらを見て、西門より出る。

バンテアイ・スレイのレリーフ
 第二周壁の塔門のレリーフ。ヴィシュヌ神の妻、ラクシュミーが象聖水で身を清めてもらっている。 「東洋のモナリザ」と呼ばれる腰をかがめた美しいデヴァター。
(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)


 シェムリアップの中心部に戻り、日本人女性の経営する「アンコール・クッキー」のお店に寄り、かいものしたあと、市内のレストランで昼食。一旦ホテルに戻り、1時間ほど休憩後、アンコールワットの観光に。

 アンコールワットは、王都の寺院を意味し、12世紀前半、アンコール王朝の国王スールヤヴァルマン2世が約30年を費やして建造した、クメール建築の最高傑作として知られている。東西1500m、南北1300mの堀と石壁が囲み、さらに三重の回廊の中央に本殿が建つ。そして、回廊は女神や王侯貴族、ヒンドゥの伝説などの精緻な浮き彫りで飾られている。
 本殿には高さ65mの中央塔を中心に5本の尖塔が天を突くように聳えている。のちに伽藍は仏教寺院に改修され、現在は、仏像が鎮座している。

ア ン コ ー ル ワ ッ ト


 西参道正面より西参道を進み、西塔門を抜けると正面に中央祠堂と4つの尖塔が見えてくる。両側に経蔵と聖池が左右対称に配置されている350mの参道を歩くと第一回廊だ。

ア ン コ ー ル ワ ッ ト(西 塔 門)
 西参道正面より環濠を渡って西塔門に向う西参道。  西塔門の前の欄干に刻まれているナーガ像。インド神話に登場する7つの首を持つ蛇神。寺院の守り神として建物入口に配されている。
 西塔門。環濠を渡って最初にある門で、寺院の正門にあたる。かつては3本の尖塔が高く聳えていたが、現在は上部が倒壊している。  東西1500m、南北1300mのアンコールワットを囲む石壁。
 西塔門の内部に立つ、高さ4mのヴィシュヌ神。  西塔門の中央門を入って右手(南面)の壁面に彫られているレリーフ。  美しいデヴァター(女神)の彫刻。


 第一回廊の北西の角の入口より第一回廊に入る。その内壁は、全周(約760m)レリーフで埋め尽くされている。西側北面に描かれている、古代インド叙事詩「ラーマーヤナ」の物語(ヴィシュヌ神の化身、ラーマ王子と魔王ラーヴァナ軍の戦い)の壁画を見ながら、第一回廊と第二回廊をつないでいる十字回廊へ入る。

ア ン コ ー ル ワ ッ ト(第 一 回 廊)
 第一回廊北西端の入口。第一回廊の内壁は、全周(約760m)レリーフで埋め尽くされている。  第一回廊 西面北側には、古代インド叙事詩「ラーマーヤナ」の物語が描かれている。
 ラーマ王子が加勢するハヌマーンのサル軍と魔王ラーヴァナが率いる悪魔軍の戦い。 第一回廊にもデヴァター像が彫られている。


 十字回廊には、四方に、高僧たちが身を清めるための沐浴場といわれている4つの聖なる池が配され、壁にはアプサラ(天女)の優美なレリーフがある。アンコールワットの完成当時、柱や天井は朱色に塗られていたといわれ、十字回廊のの柱や天井には、彩色の一部が残されている。

ア ン コ ー ル ワ ッ ト(十 字 回 廊)
沐浴の池跡 壁面に彫られたアプサラ
 十字にクロスしたところはパワースポットだとか。 彩色の残る天井


 十字回廊を出て17段の石段を上がると第二回廊である。内部は第一回廊とは一転して、内壁にはレリーフは見られず、簡素な空間が広がる。

ア ン コ ー ル ワ ッ ト(第 二 回 廊)
簡素な空間が広がる第二回廊。 第二回廊から第三回廊への石段。


 中庭に出ると、第三回廊そして中央祠堂とそれを囲むような4基の脇祠堂が目の前に聳えている。また、格子窓の間を埋めるように、精緻で妖艶な姿のデヴァター像が連なる第二回廊の外壁を見ることができる。

ア ン コ ー ル ワ ッ ト(第 二 回 廊 中 庭)
第二回廊の外壁(中庭側より)  中庭より見上げる第三回廊と中央祠堂に脇祠堂。


 第三回廊に続く階段は高くて急傾斜で危険なので、今は何ヶ所かある内の一ヶ所からしか登らせていない。(子供と70歳以上はダメとか・・・)我々のツアーでは登らせてくれなかった。ちょっと残念・・・

ア ン コ ー ル ワ ッ ト(第 二 回 廊 中 庭)
唯一開放されている第三回廊への階段 一緒に記念写真を撮ってくれるモデルさん


 第二回廊から第一回廊へ戻り、南面東側へ。ここの壁面は壁画を3層に分け、死者の世界である天国と地獄、さらにその裁定の様子が細かなレリーフで見られる。東面南側に回り、アンコールワットの壁画で最も有名な「乳海攪拌」を見て、アンコールワットの見学は終わりだ。

ア ン コ ー ル ワ ッ ト(第 一 回 廊)
 南面東側、復元された天井は、花状紋のレリーフで埋め尽くされている。  南面東側壁面の壁画は、死者の世界である天国(上層)と地獄(下層)、さらにその裁定の様子(中層)の3層に分けられている。
 牡牛に乗って18本の手に剣を持つ恐ろしい姿の閻魔大王。人々の現世の罪を判断して、地獄行か天国行きかの裁きを行なっている。  不老不死の薬を作るため、神々と阿修羅が大蛇ヴァースキを引っ張り合って海中をかき回し、やがて乳状になった海から不老不死の薬を手に入れるという、「乳海攪拌」の壁画。


 アンコールワットの見学を終えると、夕日の鑑賞のため、プレ・ループへ行く。3層のラテライトの基壇上に4基の祠堂が並び、中央に2段の小さな基壇があり、その上に中央祠堂が建てられている。そこまで登って、ジャングルに沈む夕日を鑑賞するのだ。

ア ン コ ー ル の 夕 日
 プレ・ループの中央祠堂から見る、アンコールのジャングルに沈みゆく夕日。  プレ・ループの中央祠堂から中央テラスを見下ろしたところ。


 夕日を鑑賞した後は、市内のレストランで、「アプサラ・ダンス・ショー」を観ながらディナーだ。クメール伝統文化の華、アプサラ・ダンス。9世紀ごろ生まれた宮廷舞踊で、アンコール遺跡のレリーフにも登場する。アプサラは「天女・天使」とみなされ、踊りは神への祈りとして捧げられたものであった。

アプサラ・ダンス・ショー



                                               <4日目につづく>


                      
 
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