2019.8.23〜30
・1日目 ヘルシンキへ〜市内観光 ・2日目 ポルヴォー観光 ・3日目 〜ストックホルム〜市内観光 〜コペンハーゲンへ ・4日目 コペンハーゲン市内観光〜オスロへ ・5日目 オスロ市内観光〜ソグネフィヨルド地区 ・6日目 フィヨルドクルーズ観光〜オスロ ・7日目、8日目 ヘルシンキ経由にて帰国 |
第5日目(8/27 TUE) オスロ市内観光〜ソグネフィヨルド地区へ
ヴィーゲラン彫刻公園は、ノルウェーの首都オスロの都心部から3km北西にある都市公園・フログネル公園の一部をなす彫刻庭園。 32万平方メートルの面積を有する彫刻庭園の中には、ノルウェーの彫刻家グスタフ・ヴィーゲラン(Gustav Vigeland, 1869年 - 1943年)の作品のみが展示されている。 「人生の諸相」をテーマにした、ブロンズと花崗岩でできた大小の彫刻の総数は212点で、これらの彫刻を構成する老若男女の人物の合計は600以上にもなる。ヴィーゲランはその一つ一つの作品の原型を粘土で原寸大で制作し、それらを職人たちがブロンズ像や石像に仕上げて庭園内に配置していったのである。 錬鉄と花崗岩で作られた「正門」を入ると右手に、グスタフ・ヴィーゲランの像が立っている。この彫刻庭園の軸線は、この正門から北西方向へ、フログネル公園を貫くように伸び、「橋」を経て「噴水」「モノリスの台地」「生命の環」へと至る。
正門から橋に向かって、マロニエの並木道を歩いて行くと、細長い池があり、この池をまたぐように、長さ100メートル・幅15メートルの石でできた橋が架かっている。 その欄干には、公園の彫刻のうち58点が展示されている。これらはブロンズによる人物の群像で、「人生の様々な状態」という公園全体のテーマに沿った老若男女の裸身像である。
それらの彫刻群の中でも来訪者に人気のあるのが、「怒った少年」(Sinnataggen)という像で、顔をしかめて泣き、地団駄を踏む幼児の姿を描いている。
橋を渡り、花壇の脇を過ぎると、先には噴水がある。
「噴水」は、四角い水面の中にブロンズ製の大きな円盤が掲げられたような形をしており、水面の周りの壁面には人々の群像を描いた60点のブロンズ製の浮彫が配されている。 水面を取り囲むように、太い枝を上へ伸ばした樹のブロンズ像が複数配され、枝の中には子供たちや骸骨がいるのが見える。この噴水は、死から新しい生命が生まれることを暗示している。 今日は残念ながら噴水は上がっていなかった。
噴水の先に「モノリスの台地」がある。円形の壇の斜面には、モノリッテンを囲むように36の人物群像が配されている。これらは「生命の環」をテーマとしている。 モノリスの台地へは、錬鉄でできた8つの人物像を模した門を通ることになる。この門は1933年から1937年にかけて原型が制作され、ヴィーゲランの死の直後の1943年に設置された。
モノリッテンは14.12メートルの高さで、121人の人物像が浮彫にされている。これらの人物は裸体で抱き合うようにもつれ合い、積み重なりながら空へと伸びている。これは、精神的なもの、聖なるものにより近づこうともがく人間の欲を表しているとされる。
モノリッテンの制作は、ヴィーゲランがフログネルの新しいアトリエに移った1924年に始まった。ヴィーゲランは粘土で原寸大の模型を作り、その完成までに10ヶ月をかけた。そのデザインには1919年に描かれた幾点かのデッサンが下敷きとしてあったと考えられている。 完成した模型は石膏でかたどりされた。石膏模型から花崗岩への転写作業は1929年に3人の石工により始められ、完成までに14年の年月がかかった。 850メートルの長さの軸線の北西端には、1930年に制作された日時計と、1933年から1934年に制作された「生命の環」がある。この「環」は、4人の人物と1人の乳児が抱き合って花輪のように円形を描いており、調和の中に空中に浮かんでいる。この環は永遠のシンボルであり、この庭園のテーマである人生の始まりから終わりへの旅を象徴している。
ヴィーゲラン彫刻公園の観光後、市中央部に戻り、王宮近くのホテルのレストランで昼食を摂る。その後、1時間ほどフリータイム。 まずはオスロ市庁舎に行く。市庁舎は、オスロ市創立900年を記念して建てられた。全国の建築家から作品を募集し、二人の案を採用して1934年に着工された。第二次世界大戦中の1940〜45年の間工事は中断されたが、1050年にハーラル王によりオスロ市の基礎が作られてから、ちょうど900年後の1950年に完成した。
市庁舎の中に入ると、ヨーロッパ最大ともいわれる巨大な油絵(24X12.6m)が目に入る。1階と2階にはその他にも多くの壁画がある。これらの絵はドイツ軍占領下の苦しみを描いたものが多く、当時の国民感情がよく現れている。
市庁舎見学の後、王宮へ向かう。途中、1899年に完成した、ノルウェー最大の劇場であるオスロ国立劇場の前を通り、オスロ大学法学部のキャンパスを横目で見ながら、緑に囲まれた王宮へ歩いて行く。
王宮は、現ノルウェー国王ハーラル5世と王妃の住居。荘厳な宮殿は、1825年にカール・ヨハン王の命により着工し、1849年に完成した。王宮の前には当時のスエーデン王、カール・ヨハンが馬に乗った大きな銅像が立っている。
王宮内部は、夏季限定で開催される英語ガイドツアーでのみ見学できる。また毎日13時30分には王宮前で衛兵の交代式を見ることができる。美しい庭園は入場無料で一般開放されている。
暑いさなか、衛兵の交代式を眺めた後、集合場所である昼食を摂ったホテル前に戻り、バスにて今夜の宿泊地である、ソグネフィヨルド地区のラールダールへ向かう。 車窓より、ティーリフィヨレン湖やクローデン湖を眺めながら、およそ2時間ほど走り、ブスケルー県フラ(Fla)のクマ牧場の下のショッピングセンターでトイレ休憩。その後、ラールダールの手前、ボルグンドにあるスターヴ教会を見に寄る。
スターヴ教会とは、北ヨーロッパ独特のスターヴヒルケと呼ばれる木造様式の教会で、11から12世紀にかけてその多くが建てられた。最盛期には、1000棟以上があったとされるが、現在では28棟ほどしか残っていない。
ボルグンドから10分ほどでラールダールに着き、この町に2軒しかないホテルの内、リンドストロームホテルにチェックイン後、ホテルのレストランで夕食を摂る。
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