第6日目(5/18 TUE) ドブロヴニク1日観光〜(船中泊)〜バーリ
やっと晴れ間が覗いてくれた。今日は一日ドブロヴニク観光だ。ちょっと早めの7:30に出発、まずは旧市街が一望できるビュー・ポイントへ。ここから、紺碧の海に食い込むように張り出した、オレンジ色の屋根の家々が軒を連ねた旧市街地を眺める。「アドリア海の真珠」と賞されるにふさわしい素晴らしい景色だ。
ド ブ ロ ヴ ニ ク |
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クロアチアの南端、「アドリア海の真珠」と称えられるドブロヴニクは、古くから海洋国家として栄え、長きにわたって独立を貫いてきた希少な街でもある。城壁に囲まれ、オレンジ色で統一された屋根が並ぶ旧市街は、中世の面影が残っている。 |
旧市街には街のメインゲートにもなっている「ピレ門」から入る。門の上には、町の守護聖人である聖ヴラホの像がある。門をくぐると、石畳の大通りと薄いベージュ色の街並みが広がる。町を東西に貫くメインストリートのプラツァ通りである。
ド ブ ロ ヴ ニ ク 旧 市 街 |
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ピレ門。門が現在の姿になったのは1537年。門前には木製の跳ね橋があり、かつては日没になると鎖を巻き上げられ、門は固く閉ざされたという。 |
ドブロヴニクの守護聖人 聖ヴラホ、316年に殉職した司教で、10世紀頃から街の守護聖人として親しまれてきた。 |
門を入ってすぐのところに小さな広場があり、大きなドームをつけたオノフリオの噴水がある。1667年の大地震で装飾の多くは失われたが、16面の顔のレリーフは姿を留めており、現在もその口から水を噴出し続けている。
通りの向かいには救世主教会(聖サヴィオール教会)が建っている。その隣りには、14世紀に建てられた、どっしりした高い外壁があるフランシスコ会修道院が建っている。
ド ブ ロ ヴ ニ ク 旧 市 街 |
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西のピレ門と東のルジャ広場の200mほどを結ぶ街のメインストリート、プラツァ通り。 |
ナポリのオノフリオ・デッラ・カヴァが1438年に造ったオノフリオの大噴水。 |
両側にショップやカフェテラスが並ぶプラツァ通りをのんびり歩いていく。通りの両脇には、小さな路地が網の目のように延びている。通りの南側はドブロヴニク発祥の小島、つまりラテン人のラグーザ、北側はスラブ人の居住区だった地区である。
ド ブ ロ ヴ ニ ク 旧 市 街 |
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プラツァ通りの両脇に延びる路地には、アイスクリームの街灯を点けた店もある。 |
プラツァ通りの突き当たりに旧市街の中心ルジャ広場がある。この広場に面して、1520年に建てられた、美しいアーチのあるスポンザ宮殿、1715年にバロック様式で建てられた、町の守護聖人ヴラホを祀った聖ヴラホ教会、そして1444年に建てられた時計台が今も時を刻んでいる。時計の上にはブロンズで作られた鐘つき人が置かれ、定時になると鐘を叩いて時を知らせてくれる。
ドブロヴニク 旧市街 ルジャ広場 |
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スポンザ宮殿と時計塔 |
広場の真ん中には、右腕半分の長さが商取引の長さの基準になったというローラント像が立っている。
ドブロヴニク 旧市街 ルジャ広場 |
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街の守護聖人 聖ヴラホを祀る聖ヴラホ教会 |
ローラント像 |
広場から、かつてはドブロヴニク共和国の議員たちが集まった大評議会置かれ、現在は市庁舎として使われたいる建物の前を通り、そしてその隣りの、六つのアーチの美しい柱廊がある旧総督邸の前から路地を入ると、グンドゥリチェフ広場に出る。
ドブロヴニク 旧市街 ルジャ広場 |
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かつては大評議会が置かれていた、今で言えば国会議事堂のような場所。現在は市庁舎として使われ、1階にはクラシックなカフェが入っている。 |
ラグーサ共和国の総督が住んだ旧総督邸。建物は何度も修復が加えられ、現在はゴシック、ルネッサンス、バロックが調和する美しい姿となっている。 |
グンドゥリチェフ広場では青空市場が開かれ、野菜や果物に混じってジャムやハチミツなど自家製食品も売られている。
ドブロヴニク 旧市街 グンドゥリチェフ広場 |
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青空市場では、イチジクなどのドライフルーツやラベンダーなどのポプリやオイルなども売られている。 |
グンドゥリチェフ広場の青空市場でドライフルーツなどを試食したりした後、旧総督邸がある広場に面して建つ、バロック風のファザードがある大聖堂を見学。主祭壇には16世紀に活躍したヴェネチア派の巨匠ティッツィアーノの「聖母被昇天」が掲げられている。主祭壇の左手には、聖ヴラホの遺骨を納めた聖遺物入れなどが展示されている宝物館がある。
ドブロヴニク 旧市街 大聖堂 |
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もともとは1192年に英国のリチャード王が創建したと伝えられるが、17世紀にバロック様式で再建された。 |
大聖堂を見学した後は、ポンテ門(海の門)から旧港に出る。海洋都市国家として名をはせたドブロヴニクの港としては意外に小さい。(現在のメインポートは旧市街から2kmほど西にある)旧港にはプライベートなボートの船着場やロクルム島へ行く船や観光グラスボートの乗場があり、港に面してレストランが並んでいる。
ドブロヴニク 旧市街 旧港 |
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かつての海洋国家ドブロヴニクの交易を支えた港。左手にには造船所と時計塔、奥にミンチェタ要塞、中央にドミニコ会修道院、聖ルカ要塞、その右手にレヴェリン要塞がある。 |
旧港から時計塔の下をくぐって再び旧市街に戻り、プラツァ通りをピレ門のほうに向って歩き、フランシスコ会修道院の中に入る。中には14世紀のロマネスク様式の美しい回廊があり、その壁には、病める人々を癒す修道層の姿が描かれている。
ドブロヴニク 旧市街 フランシスコ会修道院 |
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修道院内のロマネスク様式の回廊 |
回廊の壁に描かれた壁画 |
回廊に面して、創業1317年でクロアチア最古の薬局があり、現在も営業を続けており、現存するヨーロッパで三番目に古い薬局といわれている。回廊の奥には博物館があり、礼拝用の衣装や聖遺物、宝飾品のほか、この薬局で中世の時代に使われていた古い秤や薬草を収めた壷などが展示されている。
ドブロヴニク 旧市街 フランシスコ会修道院 |
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修道院内の中庭 |
修道院内で、今も営業している薬局 |
フランシスコ会修道院を出たところで、これからは、オプションで午後、モンテネグロのコトルへ行くグループと再集合する19:30迄自由行動だ。
さあ、いよいよ城砦めぐりだ。町をぐるりと取り巻く、高さが最高で25m、厚さ3〜6mもある、一周2kmの城壁の上が遊歩道になっている。城壁は13世紀に入って、30年の歳月を費やして築かれた。巧妙に強固に造られた城壁は、攻撃から身を守るのに十分頑丈なものであった。14世紀に入ってさらにミンチェタ要塞、聖イヴァン要塞など、今も残る要塞の塔が次々と築かれたのである。
3箇所ある入口の一つ、ドミニコ会修道院脇の聖ルカ要塞にある入口から上っていく。
ドブロヴニク 旧市街 |
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旧市街北側の城塞上の遊歩道。右に見えるのはドミニコ会修道院。 |
旧市街北側の城壁、左手前は、聖ヤコヴの砦、右奥は、ミンチェタ要塞。 |
ドミニコ会修道院を見下ろしながら、レヴェリン要塞の脇を通り、遊歩道を進むと、城壁の中で一番高い場所にあるミンチェタ要塞に着く。階段を登って要塞の上まで上ると赤屋根がびっしりと連なるドブロヴニク旧市街、紺碧のアドリア海、緑のロクルム島が沖合いに浮かぶ眺めはまさに絶景である。
ドブロヴニク 旧市街 |
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赤屋根が連なるドブロヴニク旧市街。 |
城塞の中で最も高所にあるミンチェタ要塞。1319年に建造され、15世紀に再建された。 |
ピレ門の上まで下りてくると、プラツァ通りが一望でき、眼下にオノフリオの噴水のドームを見下ろすことができる。さらに海の方に歩いていくと、ボカール要塞に着く。ここから城壁の外、小さな入江を挟ん大和の上にロヴリイェナツ要塞を臨むことができる。
ドブロヴニク 旧市街 |
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ピレ門の上の城壁より、旧市街のメインストリートのプラツァ通りを見る。 |
城壁の遊歩道の一角で、絵を売っている。 |
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海に突き出すように立ち、街の西の入口であるピレ門を守ったボカール要塞。 |
海面から37mの岩山に立ち、海と陸の双方から街を守る役目を果たしたロヴリイェナツ要塞。 |
海沿いの城壁を歩くと、アドリア海から吹いてくる潮風が心地よい。暫く歩くと、南東の守り聖イヴァン要塞に着く。アドリア海に突き出たこの要塞には現在、海洋博物館が入っていて、模型や絵画などの豊富な資料を用いてドブロヴニクの海洋史を紹介している。
ドブロヴニク 旧市街 |
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海沿いの城壁。絶壁の下にカフェテラスが見える。 |
裏通りには、洗濯物が揺れ、暮らしの匂いが溢れている。 |
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内戦の傷跡。まだこのように廃墟になっているところがある。 |
聖イヴァン要塞。その一角は海洋博物館として使われている。 |
旧港を見下ろしながら歩いていくと、上ってきた入口のところに戻ってくる。ゆっくりと歩いてきたので、1時間半ほどかかった。
再び城壁内に戻り、先ほど見ていなかった聖イグナチオ教会に行ってみる。ルジャ広場からグンドゥリチェフ広場を通り抜け、ローマのスペイン階段を模して造られたという階段を上ったところに建っている。1725年に完成したバロック様式の教会で、隣りには修道院が建っている。
ドブロヴニク 旧市街 聖イグナチオ教会・修道院 |
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ローマの聖イグナチオ教会をモデルに、バロック様式で建てられた聖イグナチオ教会。 |
イエズス会の創始者である聖イグナチオの生涯が荘厳なフレスコ画で描かれている。 |
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聖イグナチオ修道院 |
聖イグナチオ教会へと続く、ローマのスペイン階段を模して造られたという石段は。 |
そろそろお腹も空いてきたので昼食にすることに。旧港に面したテラス席が人気のシーフードレストラン「ロカンダ・ペスカリア」のテラス席で、ムール貝と炭火焼海老とシーフードリゾットを注文する。勿論ワインも。どれも美味しく、チョッと量が多かったかなと思ったが完食!
ドブロヴニク 旧市街 旧港に面したレストランで |
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シーフードレストラン「ロカンダ・ペスカリア」 |
これが昼食。美味しかった! |
昼食後は、フランシスコ会修道院の中にある薬局で買物したりしながら、旧市街をブラブラする。お腹の方もこなれてきたので、遊覧船で海上からドブロヴニク旧市街を見ることにする。
ドブロヴニク 旧市街 |
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海上から見た旧市街。正面はスルジ山、展望台がある。 |
観光用のグラスボートは旧港を出ると右に旋回し、旧市街を眺めながら、ロヴリィエナッツ要塞の近くまで行きUターン。ロクルム島のところでは小さな魚がたくさん泳ぐ海中を見て、約50分で一回りしてくる。海から見る旧市街もまた素晴らしい。
ドブロヴニク 旧市街 |
ドブロヴニク 旧検疫所跡 |
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旧港沖より、旧市街を見る。左手にルジャ広場の時計塔、中央右にドミニコ会修道院、その奥にミンチェタ要塞が望める。 |
交易で栄えたドブロヴニクは商人の出入りが激しく、疫病の蔓延を防ぐための検疫所が設けられていた。 |
旧市街に戻って、孫たちへのお土産を買ったりしながら街中をブラブラしたあと、旧市街で人気のカフェの一つ、市庁舎の1階にあるカフェ「グラツカ・カヴァナ」で一休み。
ドブロヴニク 旧市街 |
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プラツァ通りの一本北側の狭いプリェコ通りには、レストランがずらりと並んでいる。 |
市庁舎1階にある、ドブロヴニクきっての優雅なカフェとして人気のある「グラツカ・カヴァナ」。 |
少し早いが、集合場所のピレ門前に行く。自由行動組みが集まってくるが、オプショナルツアー組は、国境の通過に時間がかかったとかで30分ほど遅れて到着。待っていた我々を乗せ、旧市街から2kmほど西にあるドブロヴニク港へ。
ド ブ ロ ヴ ニ ク |
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ドブロヴニク港のターミナル |
今夜はここからフェリーでイタリアのバーリへ向うため、ターミナルの前にあるレストランで夕食をとった後、出国審査をして、大型フェリー「LIBURNIJA号」に乗船。23時イタリアのバーリへ向け出航。
<7日目につづく>
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