2008.5.20〜29


日目(5/26 MON)   コルドバ〜ラ・マンチャ〜トレド〜マドリッド

 今日も晴天だ。ホテルのレストランで朝食を摂り、8:15、画家エル・グレコが愛した古都トレドへ向けスタート。高速道路(A-4号線)をひまわり畑やオリーブの畑を眺めながら快適に走る。

 高速道路(CM-42号線)をトレドへ向けて走る。  車窓にはオリーブ畑が広がる。スペインの最高速度制限は120km/hだ。


 高速道路を走っていると時折、面白い看板が立っているのを見かける。スペインでは、事故防止のため高速道路沿いに看板を立ててはいけないことになっている。但し例外が2つだけある。一つは大きな黒い牛の看板。もう一つがシェリー酒の瓶が帽子をかぶりギターを持っている看板。いずれも文字は書かれていないが、ともにお酒のメーカーのものとは・・・

 大きな黒い牛の看板。シェリー酒のメーカーの一つであるオズボーン社の看板.。  ティオペペというシェリー酒の瓶が帽子をかぶりギターを持ったゴンザレス・ビアス社の看板。


 太陽と闘牛とフラメンコ、イスラム文化の影響が色濃く残るアンダルシアから、「ドン・キホーテ」の舞台となった風車の町が点在するラ・マンチャ地方へと入って、A-4号線沿いのプエルト・ラピセという町の「ペンタ・デル・キホーテ」というレストランで昼食。この店は、「ドン・キホーテ」を書いたセルバンテスが泊まった旅籠で、中庭にはドン・キホーテの像が立っている。ドン・キホーテメニュー(鶏肉の煮込み他)に加えて、特別にセルバンテスが好きだったという、ドン・キホーテにも登場する小茄子のピクルスを出してもらい食べてみる。仲々いける・・・

 レストラン「ペンタ・デル・キホーテ」
 
 入口には、馬に乗ったドン・キホーテの絵が描かれた装飾タイルが嵌め込まれている。
中庭に立つ、ドン・キホーテの像  セルバンテスが好きだったという、ドン・キホーテにも登場する“小茄子のピクルス”


 昼食後は風車の村・コンスエグラへ。ドン・キホーテが騎士の称号を受けた村で、丘の上に11基の風車が並び、その脇には古城が立っている。これらの風車はドン・キホーテが腕の長い巨人と見間違えて、戦いを挑んだとして知られている。かつては粉引き用として使われていたが、現在は観光用に残されている。また、この村はサフランの産地としても有名である。

コンスエグラの丘に立つ風車の遠望  ドン・キホーテが騎士の称号を受けた村コンスエグラ。丘の上に11基の風車が並ぶ。
 これらの風車はドン・キホーテが腕の長い巨人と見間違えて、戦いを挑んだとして知られている。 風車の内部。かつては粉引き用として使われていたが、現在は観光用に残されている。

 風車の立つ丘からコンスエグラの町を望む。この村はサフランの産地としても有名である。


 トレドの市内に入っていく前に、トレドの市街を囲むように流れるタホ川の周回道路にある展望台へ。ここから、古都トレドの旧市街が一望できる。

 トレド市街を囲むように流れるタホ川の架かる、旧市街への東の入口アルカンタラ橋 タホ川の周回道路から望むアルカサル

 トレドはスペイン中央部、カスティーリャ・ラ・マンチャ州の州都。560年西ゴート王国の首都となったトレドは、711年から約400年にわたってイスラム教徒の支配下におかれた。1085年アルフォンソ6世の再征服後も、この地の経済を握っていたユダヤ人とともに多くのイスラム教徒が居残ったという。そのため、この町はイスラム教・ユダヤ教・キリスト教の文化が交錯している。1561年に首都がマドリッドに移るまで、政治・経済の重要な拠点として繁栄したトレドは、「16世紀で歩みを止めた町」、また「町全体が博物館」と言われ、タホ川に囲まれた旧市街は世界遺産に登録されている

タホ川の周回道路にある展望台より見る古都トレド


  展望台から旧市街を一望した後、タホ川に沿って下り、旧市街の西の入り口、サンマルティン橋(歩行者専用)の少し先のラ・カバ橋を渡り、北の入り口、ビサグラ新門をくぐり、旧市街に入る。トイレ休憩を兼ね、トレドの代表的な工芸品である象嵌細工(ダマスキーノ)を作っている工房に寄り、象嵌細工の実演を見学をする。、

象嵌細工(ダマスキーノ)の実演を見学


 旧市街の中ほどに入った所でバスを降り、細い道路が入り組んでいる街中をカテドラルへ向かい歩く。路地にもみな名前が付いていて、何と、「悪魔」と名の付いた路地がある。「時計の門」というカテドラルの北側の入り口の前を通って、免罪の門があるファサード(正面入口)の面するアユンタミエント広場に出る。

旧市街の入り組んだ細い路地 カテドラル北側の時計の門


 カテドラル(大聖堂)は、1226年、フェルナンド3世の命により建設が始められ、長年の歳月を経て1493年に完成している。内部には金色の鉄柵に囲まれたゴシック装飾が華麗なマヨール礼拝堂を始め22の礼拝堂がある。
 時計の門から入ったところが主礼拝堂のマヨール礼拝堂、華麗で立派である。その他、エル・グレコの絵画、天井画などがすばらしい。内部は撮影禁止なので写真はない・・・残念!

 アユンタミエント広場に面する、免罪の門があるファサード。鐘楼の高さは90m。


 カテドラルの横の通りの建物の壁面には、先週の聖体祭の時に飾られたタペストリーと花飾りまだ飾られていて、綺麗だ。アユンタミエント広場から、みやげ物屋などがある狭い路地を歩き、モスクを14世紀に改装したという、ムデハル様式で最も美しい鐘楼一つを持つサント・トメ教会の前を通り、市外の西のタホ川の畔へ出る。

 カテドラルの横の通り、先週の聖体祭の時に飾られたタペストリーと花飾り。 みやげ物屋が並ぶ旧市街の街並み。
 モスクを14世紀に改装したもので、ムデハル様式で最も美しい鐘楼一つを持つサント・トメ教会。 狭い路地の多い旧市街の街並み。


 13世紀に建造されたゴシック様式の石橋、サンマルティン橋を渡り、対岸で待っていてくれたバスに戻る。17:00、古都トレドを後にし、A−42号線を走り、およそ1時間で、スペインの首都マドリッドに到着。

サン・マルティン橋の石の門  13世紀に建造されたゴシック様式の石橋、サン・マルティン橋。旧市街の西の入口。

 長距離路線の起点、アトーチャ駅。マドリッド都市圏を結ぶ近郊路線のターミナル駅でもある。 アトーチャ駅の向かいにある、農林水産省の建物。


 明日27日は火曜日で、ソフィア王妃芸術センターは休館なので、これから見学する。夜は9時まで開館しているので十分時間はあるのだ。
 ソフィア王妃芸術センターは、18世紀に病院として建てられた建物を改築し、1986年に、20世紀の現代美術を集めた美術館として開館したもので、ピカソの大作「ゲルニカ」ほか、ピカソ、ダリ、ミロ、フアン・グリス、タピエスなどスペイン現代美術の巨匠たちの作品が展示されている。

アトーチャ駅の前にあるソフィア王妃芸術センター。  ソフィア王妃芸術センターの中庭に立っているモニュメント。


 ソフィア王妃芸術センターをおよそ1時間見学。その後、市北部のビジネスエリアで、国際線や長距離列車の発着する、マドリッドの鉄道の玄関口であるチャマルティン駅近くのホテル「フォクサ32」にチェックイン。夕食はホテルのレストランで摂る。



                                               <8日目につづく>
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