2008.5.20〜29


日目(5/27 TUE)   マドリッド、セゴビア

 今夜もこのホテルに連泊なので、今朝は8:45とのんびり集合ということで、ゆっくりと朝食を摂る。今日もまた天気に恵まれ、晴天だ。チャマルティン駅前から、カスティーリャ広場を通って、カスティリャーナ通りを南に下る。

 市北部のビジネスエリアにあるカスティーリャ広場。右のビルは、一般に「双子の塔」とか「キオの塔」と呼ばれ、「ヨーロッパの扉」という名もあるビル。  サッカーチーム、リアル・マドリッドのホームグラウンド「サンティアゴ・ベルナベウ・スタジアム」。


 車窓より、リアル・マドリッドのホームグラウンド「サンティアゴ・ベルナベウ・スタジアム」、ゴヤ通りとの交差点にあり、帆船をデザインした噴水があるコロン広場、その東側の発見の庭に立つ、アメリカ大陸の発見を記念して建てられたコロンブス像国立考古学博物館やアルカラ通りと交差するシベーレス広場に面してそびえる、以前は中央郵便局として使われていた新市庁舎を眺めながら、プラド美術館に着く。

 カステリャーナ通りとゴヤ通りの交差点にあるコロン広場。広場には帆船をデザインした噴水があり、広場の東にある発見の庭には、アメリカ大陸の発見を記念して建てられたコロンブス像が立っている。  発見の庭の隣り、カステリャーナ通りに面して建つ、国立考古学博物館。
 レコレートス通りとアルカラ通りの交差点にあるシベーレス広場の噴水。ライオンが引く戦車に乗った女神シベーレスの像のある。  シベーレス広場にそびえる新市庁舎。この建物は20世紀初頭に建てられた壮麗な宮殿風の建物で、以前は中央郵便局として使われていた。
 19世紀末まではここがマドリッドの東端だったアルカラ門。18世紀後半にカルロス3世の命により1778年に造られた。イタリアの建築家 サバティーニの最高傑作とされる新古典様式の門。  コロン広場の角にあるツインタワー・ビルのコロンタワー。
 グランビア通りとアルカラ通りの合流点にあるメトロポリス・ビル。  20世紀初頭にパリやニューヨークを模倣して造られた大通り。マドリッドを代表する繁華街グランビア通り。


 プラド美術館は、世界4大美術館の1つとして知られ、所蔵絵画は8000点にのぼるスペインを代表する美術館である。スペイン歴代の王と王女の美術収集による王室コレクションが、この美術館のバックボーンとなっており、特に、スペイン絵画の3巨匠(エル・グレコ、ベラスケス、ゴヤ)の作品の収集は、充実している。

プラド美術館


 ジェロニモ門から入館し、エル・グレコの「三位一体」、ピカソが触発されたという、ベラスケスの「ラス・メニナス」、ルーベンスの「三美神」などを見て、ちょうど開催されていたゴヤ展で、残念ながら「着衣のマハ」は貸し出し中で見られなかったが「裸のマハ」ほかの名画を鑑賞、およそ1時間30分の見学では物足りなかったが、こういったツアーではやむを得なかろう。

プラド美術館 ジェロニモ門  カソン・デル・プエン・レティーロ (プラドッ美術館別館)



 プラド美術館で名画を鑑賞した後、近くのお店でおみやげ等を買い、バスにてセルバンテスのモニュメントで知られるスペイン広場へ向かう。

 サン・ヘロニモ・エル・レアル教会。プラド美術館の横にある、マドリッドに唯一残るゴシック様式の教会で最古の宗教建造物で、1501年に建てられたもの。  1734年のクリスマスに焼失したハプスブルグ王家の宮殿跡に、フェリペ5世の命により建設を始め、1764年に完成した、フランス・イタリア両方の建築様式を踏襲した王宮で、現在も公式行事に使われている。


 フェリペ5世の命により建設を始め、1764年に完成した、フランス・イタリア両方の建築様式を踏襲した王宮には行かずに、スペイン広場から眺めるだけで、広場の中央の方に行く。

 スペイン広場。セルバンテスの像とロシナンテに乗ったドン・キホーテと従者サンチョ・パンサの像。背後ろに聳えるのがスペイン・ビル。高さ107mのこのビルにはプラザ・ホテルが入っていたが、今は無人のビルとのことだ。  広場周辺には観光客を狙ったスリや引ったくりが多いので、警戒?している騎馬警官。


 広場の中央には、セルバンテスの像がロシナンテに乗ったドン・キホーテと従者サンチョ・パンサの像を見下ろすように立っている。

広場の中央に立つセルバンテスの像。  ロシナンテに乗ったドン・キホーテと従者サンチョ・パンサの像。


 スペイン広場からマドリッドのメインストリート、グラン・ビア通りを少し歩いて、「MUSEO del JAMON」(ハムの博物館)というレストランで昼食。料理はスペイン料理のコシード、牛肉や鶏肉やチョリソーを、野菜と豆と一緒に煮込んで、スープと具を別々に食べるという料理だ。仲々いける・・・
 昼食後は、ローマ時代の水道橋が残る古都セゴビアに向かう。

 高速道路AP-6号線からAP-61号線を走り、およそ1時間でセゴビアに到着。途中雨が降ってきたが、着いたときには上がっていた。ラッキーだ。

 15世紀にはカスティーリャ王国の中心地として重要な役割を担ったセゴビアは、海抜約1000mの高地に位置する城壁に囲まれた町で、歴史的に貴重な建築物が多く、ローマ水道橋とともに旧市街は世界遺産に登録されている。
 始めに、町の北西の丘の上にあるアルカサルへ。ディズニー映画「白雪姫」の城のモデルになった古城で、11世紀にアルフォンソ6世が築城し、16世紀フェリペ2世の治世までは王城の地位を得た。その後は一部が牢獄として利用されてきたが、1862年に大火災で焼け落ち、再建されて今の姿となった。

 ディズニー映画「白雪姫」の城のモデルになったアルカサル  「カテドラルの貴婦人」と呼ばれるゴシック式大伽藍のカテドラル。高さ88m、内部は奥行き105m、幅50mの規模を誇る。


 城までは行かず、崖の下の小さな広場のところで写真を撮り、町の中心へまわる。町の南のバスターミナルでバスを降り、歩いて旧市街に入いく。フェルナンデス・ラドレーラ大通りを、セゴビヤでも最も古い教会のひとつサン・ミリャン教会の前を通って歩いていくと、アソゲホ広場へ着く。水道橋が目の前に聳えている。

 11〜12世紀にフランスの影響を受けてカスティーヤ地方に広まったロマネスク様式がそのまま残されているサン・ミリャン教会。  12〜13世紀ロマネスク様式のサン・クレメンテ教会。


 水道橋は、ローマ時代(1世紀後半)に、フェンフリア山脈を水源とするアセベタ川の水をセゴビヤの街に引くために地下水路と水道橋が建設されたもので、ヨーロッパで最も原形に近い保存されている水道橋である。
 全長728mで、最も高いところはアソゲホ広場付近で、28.9mもある。セメントなどを一切使わず、切り出した花崗岩を積み重ねていく方法で造られている。

アソゲホ広場から見上げた水道橋  広場上の中央部分に白いマリア像がある。後年に作られたものだそうだ。


 広場の左手の階段を上ると水道橋の上に出られる。水道橋の上からはセゴビアの町が眺められる。

 1884年まで水は上部を通ってセゴビアの町に供給されていたが、1928年からは同じところに水道管が設置され、間接的ではあるが、今もその役目を果たしている。 水道橋のアーチと城壁


 ここから旧市街に入り、旧市街の中心マヨール広場に出る。広場に面して、カテドラルサン・ミゲル教会市庁舎が建っている。

 カテドラル(大聖堂)は、1511年のコムネロスの反乱で以前あった大聖堂が破壊された後、1525年に建設が始められ、1768年に完成したゴシック様式の大聖堂としてはスペインで最も新しい。その優雅な姿から「カテドラルの貴婦人」と呼ばれる。

 イサベル女王の即位式があったサン・ミゲル教会 マヨール広場に面して建つ市庁舎


 マヨール広場からイサベラカトリック王通りを通って、旧市街のメインストリート フアン・ブラボ通りへ出て歩いていくと、左手に、20世紀まで町の公立刑務所として使われていたカルセル・レアル(今は公立図書館として使われている)があり、その先がサン・マルティン広場。広場の真ん中には、16世紀にカルロス1世の絶対主義に抗して反乱(コムネロスの反乱)を起こしセゴビアで処刑されたフアン・ブラボの像が立ち、広場脇には12世紀に建てられたロマネスク様式のサン・マルティン教会がある。

 セゴビア旧市街のメインストリート、フアン・ブラボ通りの街並み。  カルセル・レアル(王立刑務所)。20世紀まで町の公立刑務所として使われていた。今は公立図書館として使われている。
 12世紀に建てられたロマネスク様式のサン・マルティン教会。塔はバロック様式で、16世紀に改築されたもの。  フアン・ブラボの像が立つサン・マルティン広場


 通りに沿った15〜16世紀に建てられた貴族の邸宅を見ながら歩いていくと、ピラミッド型の突起物が壁全体にある異様な建物が見えてくる。カサ・デ・ロス・ピコス(くちばしの家)といい、15世紀にホス一族が所有していた家で、この壁は防衛と装飾の意味を持ってるという。

 アルオンディガ。15世紀に建てられた町の共同倉庫で、現在は市立歴史資料館として使用されている。  カサ・デ・ロス・ピコス(くちばしの家)。現在は芸術学校として使用され、内部に展示室を備えている。


 このあたりにサン・マルティン門があり、場内への主要な入口であったというが、1883年に取り壊されている。ここから旧市街の外に出て、サン・ミリャン教会の前を通ってバスターミナルに戻る。

 フアン・ブラボ通りの外れ(カサ・デ・ロス・ピコスのすぐ先)の城壁から、サン・ミリャン教会方向の町を望む。


 セゴビアの観光を終え、18:10マドリッドのホテルにへ戻る。

 高速道路(AP-61号線)と併走するスペイン国鉄の列車。  市北部チャマルティン駅と、その西のCuatro Torres Business Area(4つのタワーのビジネスエリア)に建つ4つの高層ビル。

 王立劇場(オペラ座)。1850年に36年の歳月を費やし完成した歌劇場。その後、修復・改築が行われ、1997年ヨーロッパ一の規模を誇るオペラ座として開幕した。  王立劇場の隣にあるイサベルU世広場。スペインの統治女王イサベルU世の像が立っている。


 今日の夕食は市内、王立劇場の横にあるレストラン「Paella Real(パエリア・レアル)」で。王様のパエリアという店名のとおりのパエリア専門店で、パエリアは格別な美味しさであった。

 シーフード・パエリア、これで12人前だ。大きななべで作ったものをテーブルのところまで持ってきて、目の前で混ぜて取り分けてくれる。


 スペインでの最後の夕食を「パエリア」に満足して、ホテルへ戻る。
 



                                               <9日目につづく>
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